第2話 いきなりの攻撃

 銀太郎は、夢から目が覚めた。


「あれっ!」


(今のは夢か、残念。凄い能力が身についたと思ったのに。ま、そんなことあるわけないよな!)


 病院のベッドで、そんなことを考えながらぼんやりしていると、女医が微笑みながらやってきた。


「目覚めたようね。

 あの力は、自由に使えそうかしら」


「えっ! あの力?」


 と、銀太郎が言った次の瞬間!―――


 窓の外が、光った!


『ドドドドドー』

『ガガガガガー』


 病院に何かが落ちてきた。


 壁もろとも、爆風で銀太郎と女医は吹き飛ばされた。

 コンクリートの塊が壊れながら銀太郎に向かって飛んでくる。しかし、銀太郎は間一髪のところで身を交わす事ができた。次々飛んでくるコンクリートの塊を交わしているときにあることに気がつく。


「ん!」


(塊の飛んでくるスピードが遅い!)

(だんだん遅くなって見える!)

(こんなスローモーションみたいなスピードなら、避けるのは簡単だ!)

(でも、体が重たくて動きが悪い!塊を避けるのがやっとの速さでしか動けない!)


 空中にコンクリートの塊と一緒に飛ばされた銀太郎は、数十メートル離れた道路に着地した!


「何が起こったんだ!―――」


 辺りを灰色にした粉塵が収まりつつある中、がれきと化した病院には、自衛隊のジェット機が突っ込んでいて、原形が全く解らないくらい崩れているのが見えた。


 真っ白だった病院は、灰色になり全壊した❗


「これじゃ、あの綺麗な女医さんも助からないな」


 思わず、銀太郎はつぶやいた。


「あら、私を心配してくれてるのかしら。

 私は、この通り全然大丈夫よ」


 銀太郎の背後から女医の声がした。


「えっ!」

 

(あの爆発の中、この女医は無傷だと言うのか。)


「あ、先生ご無事だったんですね。良かった。」


「ここが、狙われるってことは、あなた相当ヤバイわね!」


 女医が微笑みながら言った。


「大切な話しがあるの。一緒に来て!」


 そう言って。謎の女医は銀太郎に背を向け歩いて行った。


(いったい、何が起きてるんだ!)

(あの女医は、何か知っている。ついて行って聞くしかないな)


 銀太郎は、粉塵まみれの顔で女医について行った。


『アーア~アー♪』

『ピーポーパーポー♪』


 二人の横を消防車と救急車が通って行った。

 雨が、粉塵とがれきから舞い上がる白い煙を静かに包み始めていた。















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