第一章15 『暴走』
リョウタと侵食者の2人が対峙している状況。 痩せた男は仮面の中で笑っていた。 彼が先に口を開いた。
「ハハハハ——————!!、いや、お前は話も面白くするなぁ? お前もまさか騎士団なのか? それともただ英雄のふりをするやつか? あの高さから飛んできたから、平凡なやつではないと思うんだけど」
「好きなように考えてください。 僕がどちらであっても、することは同じでしょう」
「へえ——————、聞けば聞くほど独特なやつだ。 俺はお前がどっちでも構わない。 でも騎士団というやつらはみんな面白くないやつらだからさ。 なぜそんなみんな真剣なのか。 ありきたりな言葉に行動に···、 俺がもしそこにいたら退屈で耐えられなかっただぞ」
「どうせあなたのような人は入れないから安心してください」
「じゃあマジで騎士団なのか? まあ、俺は入るつもりは最初からないんだよ」
そして痩せた男は手をストレッチした。 まるでもうすぐ戦いが始まることを知らせるように。
「よし。じゃあ、そろそろ始めてみようか? 俺がやるから出ないでよ」
「早く処理しろ。 これ以上の戦いは意味がない」
「知ってるって!」
痩せた男はリョウタに向かって突進した。 リョウタは彼を蹴りで攻撃した。 蹴りは彼の腹に的中した。
「うっ!」
しかし、彼は転ばずにリョウタの足をつかんだ。 そして持ち上げて床に強く置いた。
「ふわぁっ!」
「クフッ!」
そして倒れている彼の顔を足で連続的に変えた。 そうやって3回ほど顔を踏まれたリョウタ。 しかし、4度目の攻撃が来ると、リョウタは顔を横に避けた。 そして彼の足首を拳で攻撃した。
「うっ!」
リョウタはその後、彼の足の甲を肘で突き刺した。 足の甲は人間の急所の一つであるため、ダメージが大きかった。
「ううっ!!」
彼が苦痛を感じているとき、リョウタはもう一度蹴りで彼のお腹を蹴った。 強く押し出され、結局床に倒れた痩せた男。 リョウタは立ち上がり、倒れている彼に飛びついた。 そして彼を強く蹴った。
「カハッ!」
リョウタが攻撃し続けているとき、突然彼に向かって攻撃が飛んできた。 彼は壁まで飛んでいった。
「おい!出るなっと言っただろ!」
「俺は確かに早く処理しろと言った。 しかし、今のお前の姿を見ろ。 情けない奴」
「クッソ···、少しだけ待ってろよ。すぐ倒すから」
「お前の虚勢を聞くにはもうあきた。これで終わりだ」
「……どこに行くんですか?」
その時だった。 リョウタが投げた鉄筋が丈夫な体格をした男の頭に的中した。崩れたデパートの破片に見える。男は何でもないように立っていた。しかし、頭から出血が起こり、仮面を披露した。もともと不気味な雰囲気がより恐ろしく感じられた。
「.....」
痩せた男も彼の反応に緊張した。 いっそ何か言ってほしかった。
「……おい、大丈夫か…?」
「ああ。 ただ計画変更だ」
「……どんな風に?」
「……あいつを殺そうが殺さないが構わない。 ただ、誰が上なのか教えてあげる必要がある」
「……分かった」
痩せた男は彼の言葉に威圧感を感じた。 計画通りに進めるのが好きな彼が、突然予定を変更した。 リョウタも彼の話を聞いて緊張した。 いつでも対応できるよう心の準備をした。 丈夫な男がリョウタに向かって突進した。 彼の拳が触れようとしたとき、リョウタは防御姿勢を取ろうとした。
「なっ?」
しかし、なぜか彼は一瞬動けなかった。 そして丈夫な男の拳を打たれた。
「カハッ!」
後ろに大きく押し出され、結局倒れてしまうリョウタ。 丈夫な男は彼にまだ飛びついた。 彼は横になった状態で防御姿勢を取ろうとしたが、今回も瞬間的に体が止まった。
「これは一体?」
彼は男の攻撃を受けるしかなかった。 男の攻撃は続いた。 リョウタは今の状況を理解できなかった。
‛一体これはどういうことだ? もしかして何かの能力?’
数え切れないほどの攻撃を受けたリョウタ。 顔に多くの攻撃を受けて目を開けづらくなった。 仮面はすでに壊れていて、今すぐ気絶してもおかしくないほどだった。 彼の気力がないと感じた男は口を開いた。
「最初に4階から飛んできた時は、 何か変わったやつだと思ったが···、 今見たら大したことないなぁ。もう死ね」
男の手がリョウタの首に向かうとき、彼の手で男の手を握った。 なんとなく動くことができた。 リョウタの指先が黒くなり始めた。 男は一瞬めまいを感じた。
「こ…、これは一体何だ?」
男がめまいを感じているとき、リョウタは両手で彼の足をつかんで上に腕を伸ばした。 男は立っている状態でそのまま床に横たわることになった。 リョウタはその機会を逃さず、周りにあるがれきを拾い上げ、それで男をむやみに殴った。
「うおおお——————!!」
その時、痩せた男がリョウタを攻撃した。 鋭い爪でリョウタを連続で引っ掻いた。
「くぅっ!」
「こいつ、生意気にしやがって!」
リョウタは彼の攻撃を何度か受けて、強い目つきで彼の目を見合わせた。 すると痩せた男は瞬間的に体が動かなかった。
「うっ!体が動かない?」
リョウタは鉄筋を持って力いっぱい彼のわき腹を攻撃した。
「カハッ!」
痩せた男はがれきの方に飛んでいった。 リョウタは丈夫な男の感情を吸収したため、感情的に敏感になっていた。 怒り、恨みなど多様な感情が感じられた。 彼は深呼吸をしながら落ち着こうとした。 その時だった。丈夫な男が再び立ち上がり、リョウタを拳で攻撃した。
「うっ!」
彼は突然の攻撃に反応できなかった。 そして男がリョウタと目を合わせた。
‛しまった!’
男は彼を壁に吹き飛ばし、鉄筋を2本拾った。 そして一つずつリョウタの肩に打ち込み壁に固定させた。
「うああああ——————!!」
彼の苦痛によるうめき声が漏れた。 男はしゃがんで彼の顔を見た。 リョウタは彼を狙ってみたかったが、能力のため我慢している。
「....お前も侵食者なのか? 殺す勢いで殴ったのにまだ動けるなんて···」
「.....」
「それは肯定の意味で受け取ればいいのか? 今になって理解できる。あの高さから落ちたのに、 すぐ動けた理由がそれだったのか」
「……頭がよく回りますね」
「その言葉は褒め言葉として受けよう。 まあ、侵食者なら殺すのも面倒だ。お互いに時間を無駄にしないでここで仕上げよう」
男は今までのことが何事もないかのようにやり過ごそうとした。
「...ちょっと待ってください」
「.....」
「これくらいのことをしておいてそのまま行くんですか?」
「言っただろ? お互いに時間を無駄にしないようにしようって。 そもそも同じ侵食者なのに、お前はどうして俺たちと戦うんだ?」
「……騎士団ですから」
「侵食者が騎士団…? そういうのは初めて聞いた。 ただ俺たちと戦いたいから言う嘘じゃなくて?」
「信じなくてもいいです」
「お前が本当の騎士団だったらもっと面倒だな。 まあ、勝負はまたいつか。どうせ俺たちの目標は終わったから」
「目標はデパートを爆破することですか? 一つだけ聞きます。クリスマスの悪夢はあなた達が起こしたことですか?」
「同じ爆弾テロだからそう思ったのか? ならば、もしそうだったらどうするんだ?」
彼の話を聞いてリョウタの心の中で理性の糸が切れた感じがした。 テロへの怒り+戦いによる疲労+吸収した感情など、すでにリョウタは精神的に限界だった。 そのような状況で、男はリョウタの最大のトラウマを刺激した。
「もし...、そうなら...、 あなた達は...'
リョウタの頭から角が出て、爪はさらに鋭くなった。 顔にある黒い模様はいつにも増して大きくなった。 上半身の筋肉が伸びて服が破れた。 彼の目は理性よりは本能だけが残った獣のような目だった。 そして、ずっと多様な方向に不安そうに視線を向けていた。 愛待はそれを見て何か間違っていくのを感じた。
‛...どう見てもあれはよくない。 私が、 私が止めなければならないのに...'
しかし、彼女の望みとは裏腹に、体は全く動かなかった。 平凡な人間である彼女が侵食者の超越的な再生力に勝つことはできない。 一方、丈夫な男はリョウタの変化を見て驚いた。
「...お前本当に侵食者なのか。 それにものすごく速い侵食化···。 これ以上絡まったら面倒になるなぁ」
「あんた...このまま...逃がさない...」
彼の動き続けた目が男の目に焦点を当てた。男は瞬間的に動けなかった。
「っ?! まさかこれは俺の能力?!」
リョウタは上半身の力だけで体を前に引いて鉄筋から抜け出した。 そして男に飛びついた。 彼は体が動かなくて何の備えもできなかった。
「これは一体?!」
リョウタは彼の頭をつかんで床に投げた。 そして彼の足首をつかんで左右に繰り返し投げた。
「カハッ!」
彼はそこで終わらずに男を立てて壁に押した。 そして鉄筋を彼の両肩に打ち込んだ。
「クアアアッ——————!!」
リョウタは壁に固定された彼を、長くなった爪でむやみに引っ掻いた。彼が手を振るたびにあちこち血が散った。
「ううっ——————!!」
そして仮面をはがしてそれを打ち砕いた。 リョウタは彼の顔に近づけてにらんだ。
「...こんな顔だったんだ」
その時だった。いつの間にか痩せた男が近づいてきて、リョウタを蹴った。 そして連続的に彼に殴りかかった。 しかし、リョウタは彼の手を取り合って。
「雑魚は邪魔」
片手の力だけで彼を持ち上げて反対方向に投げつけた。
「カハッ!」
そして爪で彼の胸を突き破って遠くへ投げた。 まるでゴミのように捨てられた痩せた男。 しかし、リョウタはそれで終わらずに彼のところに飛んだ。 そして彼の頭をつかんで地面に数回打ち込んだ。 そして首を掴んで上げた。 リョウタは獣のような音を立てて彼を見た。 男は荒い息をしながら言った。
「ゆ...、許してくれ...」
「.....」
リョウタは意外と素直に彼を手放した。 男は彼の行動に感謝した。
「...ありがとう」
しかし、それはリョウタの嘘だった。 彼は男の右腕を片手でつかみ、もう片手で切断した。
「クアアアッ——————!!」
床に倒れた男は切断された面をつかんで悲鳴を上げた。 リョウタは彼の姿を見て精一杯笑い出した。 相手を圧倒する優越感。 暴力と復讐に対する快感が彼を楽しませた。 普段の彼だったら想像もつかないことが起きていた。
「クックックッ...、アハハハハ——————!!」
狂人のように笑っていた彼は突然真顔をした。 感情の揺れ動く姿。 そして男の顔をつかんで起こし、口を開いた。
「あんた達のせいで人が死ぬ」
「ご...ごめん...、 俺たちが悪かっ」
「今さら謝罪はいらない——————!!」
リョウタは彼の言葉を断ち切り、狂ったように叫んだ。 そして床に彼を投げた。
「お前たちみたいなやつらは...、 みんな死なないと...、いや...、僕が望んだのはこれじゃない——————!!」
彼は突然頭痛に苦しんだ。 両手で頭をつかんで苦しむ様子。 痩せた男は彼の今後の行動と言葉が全く予測できなかった。 それで彼のリミッターのない狂気におびえていた。 彼は目を見開いて男と目を合わせた。
「いや...、やっぱり悪いやつらは...、 罰を受けなければならない...」
リョウタが獣のようにうなり声を上げて近づいた。 そしてぼうっと見てニヤリと微笑んだ。 目の焦点はすでに正気ではない。 そして手を伸ばそうとした瞬間だった。
「そこまでだ、侵食者!」
リョウタが声の方向を見ると、騎士団4人が待機していた。
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