第34話 食事会の前に会談
その日の夜、食事会に参加する事になった。ゾーイさんは不参加。貴族の様な服に着替えさせられたという事は、そんな人物が来るという事だろう。迎えに馬車が来たのもそれを裏付けている。上級貴族以外は馬車は禁止だったよな。
「
「そう言えば、
「今日は用事があって不参加になってね・・・余計な事しゃべりそうなんで、黙っておくね。」
静かな車内は、目的地へ進む。
馬車がついた場所は、コームで一番大きい屋敷だった。
「
いや、急に連れてこられて、無理ですよ。顔に出ていたのか、
二人は、執事に案内され、食事をするダイニングルームへ。部屋に入ると、中央に領主様がすでに居た。髭があるからなのか、それとも白髪だからか、
「まぁ近くに座ってくれ。食事の前に話しがしたい。」
二人は失礼しますと、領主様近くに座る。
「
「いえ、とんでもありません。」
「それと、君が
自分も立ちあがり、頭を下げる。
「このたびは、私を助けて頂きまして、ありがとうございました。領主様。」
コーム領主様は、手をあげ「楽にしてくれ」と座る様、促す。
「今回はな、
・・・契約魔法ってなんだ?
その様子を見ていた
「
でも、ここで拒否は出来そうもない。強制なんだろうな。
「はい、契約魔法をお願いします。」
そう言うと、コーム領主様は隣室に控えていた執事に声をかけた。一人の人物が部屋に入ってきて、魔法を唱える。
「×××××××××」
「終わりました。」の声と共に、光は消え、契約魔法をかけた人物が部屋を出る。
コーム領主様は三人しかいない事を確認する為、部屋を見る。確認後、懐から平べったくて丸いよく分からない道具を取り出した。コーム領主様からこの道具に触れる様に言われて触ると、しゃべっていないのに、お互いの声が聞こえる様になった。
「これは、盗聴防止の道具でな。口にしなくても、お互いの頭の中でしゃべれる。」
こんな道具もあるんだな。
「
「すみません。失礼いたしました、領主様。」
二人は、うなずく。
「では、魔道士リンデンから話をしていこう。」
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