第14話 渉に力が目覚める
「ヒューゴ、ちょっといい?」
横になっていたヒューゴが
「どうした?」
【文字】「ここからは、書いて話しをしたい」
ヒューゴがうなずく。
【文字】「イノシシが襲ってきた時、シュミール人が魔法を使って魔獣を殺したけど、あの時、何故か俺も魔法を使えると思った。」
ヒューゴは「どういう事だ?」という顔をしながら、
【文字】「実際、こっそり使ってみたら、出なかった。」
「使えなかったんじゃぁ?」と口を動かすが、
【文字】「違う。実際使えた感覚があった。でも制限がかかって出なかった。」
ヒューゴが驚いた顔をする。
それはそうだろな。日本人は魔法を使えないが、一般常識。奴隷は皆、首輪をしているが、日本人以外は、首輪に、魔法が使えない特殊な制限がかけられている。
【文字】「制限は首輪からか?」
【文字】「信用でき、魔法が得意な奴隷いる?こっそり話しをしたい。」
ヒューゴは「分かった」と首を振る。
魔獣の解体作業の際、ヒューゴが離れ、代わりに一人のダークエルフの女性が近づいてきた。回りに聞こえないほどの小さな声で話しかけてきた。
「あなたが
解体作業をしながら、周りに気づかれない様に話す。
「あなたは?」
「私は、ルー。見て分かる通りダークエルフよ。それより、さっさと話して。」
牛の魔獣の心臓を取り出す作業をしながら、話しをする。思えば、最初の頃は、解体作業も苦手だったな。でも、出来ないとボコボコに殴られるので、
「俺、魔法が使えるみたいなんだ。」
ルーの解体作業の手が一瞬止まる。
「そう・・・ありえないわね。」
「本当だって。あいつらの火の魔法が使えるみたい。」
「使ってみた?」
「使ってみたけど、制限がかかっていた。」
「・・・あなた日本人でしょ。首輪に制限かかってないわよ。・・・嘘ばっかりね、もういいでしょ。」
「魔法を使った時・・・」
「母ちゃんの声が聞こえたんだ。」
ルーは意味が分からないという顔をする。
自分が聞いた母ちゃんの声はブツッブツッとトンネルに入る瞬間の携帯みたいだった。
「魔法・・・ばれる・・・いざという時・・・使って」
「私は・・・世界・・・いる」
「探して・・・私・・・シュヒール・・・ラナー・・・」
「
ルーは
「そこっ、さっさとしろ。殴られたいか!」
ルーがそっと話しをしてくる。
「多分・・・その名前、シュヒールヒ=ラナール。」
「シュミール人と敵対している活動家の・・・娘よ。」
シュヒール・・・何?そんで誰?母ちゃんの名前は、
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