第2話 ライフライン
信号を見ると・・・あれっ青になっていない?いや、消えている。
「父ちゃん、戻らねぇ?家、心配」
「・・・あぁ」
Uターンをして、家に引き返してきた。
周りを見ると近所の人達が外に出て、騒いでいる。
自分達が車から出てくるを見て、
「きみちゃん!大丈夫だったか?
自分の部屋が心配な渉は、一足先に家へ入っていく。
「
「あー、
近所の人達に怪我はなさそうで、一安心だ。
「きみちゃん、家入ったら、まず電気、水、ガスを確認してみてくれ。」
嫌な予感のする言葉だ。
「・・・まさか、おっちゃん、ライフラインが・・・」
「どうやら、
急いで家に入るが、あまり倒れた物はなさそうだ。おっちゃんの言う通り、そこまでの揺れではなかったのかも。仏壇に置いた父・母・妻の写真が倒れていたので、立て直し、
「
自分の部屋がある2階から「つかない!」と大声で返す。
水は・・・出ない、コンロにガスは・・・つかない。やばい!
「
2階から「分かった!」と声を聞き、車に飛び乗る。
ライフライン停止。想像以上に最悪な状況だ。急いで、役場に行き、現状把握・対策をしないと!
家から飛び出ると
「きみちゃん、どうだ!」
「おっちゃんの言う通りだった。これから役場に行ってくる。避難勧告も出るかも。」
「そうか!皆に話ししてくるわ!」
家からは職場の役場まで距離、約5キロ。車で10分かからない距離。駅は役場を通り過ぎ、2~3分ほどで着く。朝と行先は同じだ。
車で4分ほど走った一時停止のT字路の前、何故か皆が役場の方に歩いていってる。一時停止前に車も止まっており、歩かないと先に行けない様だ。
シルバーカーを押して歩いている老人に「何があったんですか!」と窓を開けて話しかける。
「道がなくなってるって。聞いてもよー分からん。だから、見に行ってる。」
わけが分からない。車を降りて、歩く。
一時停止のT字路を左に曲がった先、後は直線で役場だが、曲がった先で景色がまったく変わっていた。
道路が途中で無くなり、草原になっていた。視線の先に役場もなかった。
人々と一緒に、私も立ち尽くしていた。
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