第320話母の手料理シリーズ3キビナゴ

鹿児島県民の僕くらいの年齢までは、キビナゴの捌き方は知っている。僕は45歳。

頭をちぎり、親指ではらわたをとる。

それを丸い皿にに並べていき、菊状にする。

名古屋でキビナゴを見た覚えは、この24年の生活で見たことがない。

帰郷すれば、必ず母にキビナゴの刺し身を所望した。

酢醤油で食べると美味しく、酢味噌とも合う。僕は酢味噌だ。

しかし、若年層になるとキビナゴを指で捌くことが出来ないらしい。

分からなければ、YouTubeにも出ているのに。


キビナゴは新鮮で、清潔な環境でしか捌けない。

時間が経つと、身から赤い汁が出る。そうなると、刺し身には出来ない。

母も名古屋に来た。

キビナゴの刺し身を食べられるのは、鹿児島空港ぐらいだ。

今度、弟の家に泊まる事があったら、僕が自らキビナゴの刺し身を作ろうと思う。

母の手捌きは見事なものである。

手料理といっても、キビナゴの刺し身だが、これも母の苦労の結晶だ。

今度、キビナゴを取り寄せようと思う。そして、僕が母に刺し身を作ってやりたい。

今回は、キビナゴでした。

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