第158話ジビエ料理③イノシシ
イノシシの肉は、色んな場所で食べられるので、取り分け珍しい肉では無いだろう。
皮に旨味がある。
だから、枝肉から捌くときは、皮を付けた状態で切り分ける。
店で食べる時は、薄く切ってあるか、ペラペラだし、煮込んであっても臭いがしないくらい煮込まれているので、イノシシを食べた気がしない。
イノシシはある程度、厚めにカットしてその脂で焼くと美味しい。
鍋にすると、スープに臭いが移りギトギト脂ぎるが、それが好きな人には堪らない1品だろう。
イノシシは結構、間近で食べているので、キジみたいに食べたくて堪らないジビエではない。
そのイノシシを枝肉から捌くのは、僕の仕事だった。
母は、ジビエ料理は嫌いでウサギは煮物にしていたが、イノシシ、シカは僕が中学生の頃に親類のおじいちゃんから教えてもらい、それかずーっと僕の仕事だった。
11月に僕が帰ると、待ってましたと言わんばかりに、ジビエの下処理をさせられる。
イノシシは、焼き肉が一番好きだ。
ニンニク、キャベツ、玉ねぎ、イノシシを鉄板に乗せ、焼酎を1カップかけて、蓋をして10分焼いたら臭いのきつく無いイノシシ焼きの出来上がり。
ニンニクと、焼酎が程よく臭みを消すのだ。
もう、イノシシ焼きを囲んでの酒は飲めないだろう。
だって、もう、この世に父親はいないのだから。
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