第86話料理と僕

川や海で釣った魚を親戚のおじいさんが捌いていた。

それを見て、鯉など釣ると、塩でぬめりを取り、ウロコを取り、腹わたを取り出し、エラを外し、ぶつ切りにして鯉こくを作ったのは、小学5年生だった。

珍しい野菜は畑に種を蒔いて収穫していた。

珍しいと言っても、34年前はホワイトコーンが珍しいトウモロコシで畑に蒔いた。

あれは、ホントにホワイトコーンだったのか?初めて育てた野菜は、サニーレタスであった。

園芸が好きで花ばかり育てたが、畑ににも興味を持ったのは小学生4年生の時。


育てたり、採ってきた野菜は調理方法をレシピ本などで確認したり、魚は兎に角、捌いて腕を磨いた。

高校生なると、料理レパートリーは増える。

一時期、スイーツにはまりケーキやアイスクリーム、タルトなどを作ってみた。

母親が大病で入院時、父はトラック運転手で不在なので、3食作っていた。

小麦粉からうどんを打ったり。

週末は川でウナギを釣ってきて、捌いて蒲焼きを作ったり。

ウナギはまな板に釘で頭を固定して、一気に背開きにするのだ。

そんな生活を30歳まで続けた。

30歳で結婚したので、嫁さんの料理がうまいのなんの。

それ以来、あまり包丁は握らなくなる。

今、魚を3枚におろせるだろうか?

知識はあっても、包丁を握らないと素人になる。

来週末、料理を作ってみようか?

高校の調理実習では、アンコウ鍋を作って教師のドキモを抜いた。

ペーパードライバーと同じ。

包丁は毎日握るべきだ。

僕のレシピはレシピ本やレシピ集からの抜粋で、季節の旬の食材を調べたり店で食べたり。

僕の料理人生は、小学生の興味から始まり今はひたすら、旬の食材を探して紹介している。

記憶を辿ったり、調理料を思い出したり。

僕は、料理にはこだわりを見せるが嫁さんは、僕の事を「バカ舌」と言っている。

現実は調理好きな単なる料理の素人に過ぎない。

だが、一度包丁を握ると色んな事を思い出し、ノスタルジックな気持ちになる。

皆さんが故郷の味の調理者。

いつの日が、その味を記憶しておふくろの味になるのです。

暑い中、コンロの前に立つ全ての皆さんにお疲れ様です。と、言いたい。

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