第95話 新しいスキルの確認
「よぉし、ほんじゃあ、せっかくだからコウモリカメラを起動しようか」
「あは! 新しいスキルをみんなに披露するんだね」
俺のチャンネル登録者数は3千万人に達していた。
はぁ……。
一夜にしてとんでもない数になってんな。
ほんの1分待ったところで、
「鉄壁さん。同接が100万人超えたよ。これくらいいたら十分だよね?」
「だな……」
おいおい。たった1分で100万人て……。
もう異次元の生配信だよ。
「みなさん。こんにちは。イレコです。暗奏攻略の応援ありがとうございました。今回は暗奏攻略で習得した新スキルのお披露目になります。私たちもまだどんなスキルをゲットしたのか確認していません。だから、みんなで一緒に確認できたらと思います」
俺は目を閉じた。
脳内には新しいスキルが浮かび上がる。
このスキルは、暗奏のダンジョンボス、オメガツリーを倒した時に
「ねぇ、鉄壁さん。ふと思ったんだけどね。今回習得したのが2人ともスキルじゃない。スキルと魔法ってともに魔力を消費するけどさ。その違いを視聴者に説明した方がいいと思うんだよね」
「ふむ。良い機会だな。それじゃあ、両者の違いを少しだけ説明しておこうか」
「お願いします。鉄壁先生」
「うむ。えーー。スキルってのは主に人の個性によって左右される特殊な技のことです。稀に同じスキル保持者と出くわすこともあるんですけどね。まぁ、一般化された魔法より明らかに少ないです。ユニーク性があるんですね」
「なるほどね。だから、私の収納スキルは持ってる人が少ないのか」
「あと、スキルはレベルが上がります。成長すれば威力が増えるんですね。それがスキルです」
「よくわかりました」
次は魔法の説明だな。
「魔法は一般化されてて、使える人間が多いです。基本的にレベルは存在してないんですよね。威力が上がれば名前が変わる。ファイヤーの上はメガファイヤー、その上はギガファイヤーって具合にね」
「へぇ……。でも、まぉ……。鉄壁さんの魔法壁は倍化できるよね?」
「俺の
「……それってすごすぎない? よくよく考えれば、倍化できる魔法なんて聞いたことがないもん」
「まぁ、特別なケースだと思うよ」
コメントは盛り上がっていた。
『スキルと魔法の違いがよくわかりました!』
『鉄壁先生の解説わかりやすいです!』
『鉄壁さんの強さの謎が解明したw 答え修行』
『鉄壁さんの100倍とかすごすぎ』
『スキルはよ』
『ただでさえ最強の鉄壁さんに新たなスキルが追加されるのか。楽しみだな』
『イレコちゃんのも気になる』
『新スキルの確認早くしてくれ!』
『期待』
『ワクテカ』
『ふひょーー! 楽しみぃいいい!』
ふふふ。
みんなも同じ気持ちか。
やっぱり新しい技はワクワクするよな。
「鉄壁さん。ワクワクするね!」
「ああ。それじゃあ確認してみようか」
「うん!」
さて、俺のスキルは?
【
ほぉ、これが俺のスキル名称か。
脳内に説明文があるな。
ダンジョンの場合、能力の空中表示が可能なんだよな。
「みんなが見やすいように、空中に表示させますね」
【
脳内に浮かんだ映像を物体に転写できる。
射程距離は50メートル。
ほぉ。
なんか便利そうだな。
「んじゃ試しにダンジョンの壁に写してみますか。
犬を想像してみる。
すると、ダンジョンの壁には犬の姿が映っていた。
「あ! 可愛いモフモフ。ポメラニアンだね」
「あれ、これって、動かせるのか?」
壁に映った犬は、俺の意思で自由に動いた。
「おおお! 動かせれるぞ! 音声は出ないがこれはすごいぞ!」
スキルにはレベルがあるからな。
音声はレベルが上がれば出せるのかもしれない。
「しかも、立体で見えるのはすごいな。本当に壁の中に存在してるみたいだ」
立体映像の転写なんて優秀すぎるよ。
しかし、なんで
「あ! もしかして……」
俺はダンジョンの壁に張り付いた。
「
「あれ? 鉄壁さんが消えたよ?」
「ふふふ。ニンニンでござるよ」
「え? 鉄壁さんの声はするけど壁しか見えないよ?」
「ダンジョンの壁を自分の体に転写したんだよ」
その上で、俺の体を平面に見えるように細工した。
思った通り、立体ができるなら平面も可能か。
「ああ、なるほど! だから、
これは結構使えるスキルかも知れないな。
エリンの
それと似てるかもな。
まぁ、こっちは転写だからな。俺が動くと周囲の景色が動かない分バレてしまう。動かなければ景色と同化することが可能だ。
透明とはちょっと違うかもしれないな。
でも、応用の幅は広いだろう。
「あ、そうだ。
「え!? なに、その顔!? モンスター??」
俺は自分の顔に
「これはサイの顔だよ」
「サ、サイ?」
「海外でさ。俺のパンチがライノアタックとか、ライノパンチとか言われてんだって」
「ライノって動物のサイってこと?」
「突進する力が強いからそういうイメージみたいだな」
「ああ、だから、自分の顔にサイの顔を転写したんだね」
これなら顔をフードで隠さなくてもいいぞ。
「みなさんこんちには。サイ男、鉄壁です」
コメントは大盛り上がり。
『怖っw』
『サイだwwww』
『おお、
『めっちゃいいやん!』
『顔出し可能』
『最高!』
『便利!』
『欲しい!』
『女湯の壁になりたい……』
『正体を隠せますな』
『今後のバトルに期待』
さて、俺のスキルは大体確認できたから、次は
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