犬の骨 35

埼玉県Y町には“偽踏切”と呼ばれるモノが出現する。

夜、踏切など存在しない場所に交互に赤く明滅する光が見えると言う。


地元の人は「偽踏切だな」とわかるとすぐ道を迂回するなどして近寄らないが、稀に事情を知らない者が遭遇し、近づいてしまう。


光に近づくと、車に乗っていれば車ごと、気づくと町内のまったく別の場所にいるという。

公園の中などならまだ良いが、川のど真ん中や、車通りの多い道のど真ん中だとそのまま事故になり亡くなる場合もある。


Y町の交通事故の死亡者数のうち、年間1件から2件はこの“偽踏切”によるものではと疑われる、という話である。

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