犬の骨 36
埼玉県H町に「F公園」という名の公園がある。
交通量の多い国道と住宅街を結ぶ道の中ほどにある小さなその公園は、一年中鬱蒼とした木々に覆われ昼間でも薄暗い。また遊具から柵にいたるまで損傷が激しく、まともに利用できる状態ではない。
H町の管理が杜撰なのかと疑われるが、町内の他の公園は全て綺麗に管理されている。F公園のみ一切管理されておらず、また町の発行する育児支援の冊子等につくような公園マップにもF公園は載っていない。
一方で公園そのものを解体するといった事も行われない。
F公園やその土地に悪い噂や曰くがある、という話も無い。
ただ、そのような環境なら夏場などは虫捕りの穴場になりそうな公園だが、
夏真っ盛りの時期でもF公園にはセミの一匹もいないという。
「F公園に入ると寿命が縮み、虫などは一瞬で死んでしまうからだ」
と近所の小学生は噂している。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます