悪役貴族が、もし、転生したらどうなる?

ちーずけーき

第1話 プロローグ




「あの世で悔やむんだな!」



俺はアーク・ル・ブリュンヒルデ

そして俺を踏みつけている男がレーク・ラ・ブリュンヒルデ

俺の異父弟にして天敵だ

まぁ、その話も今日までだが‥‥‥‥‥

なんだってこの俺が殺されるからな

【死】に対する恐怖ない

だが俺が一番恐れているのは【屈辱】だ

『死ぬ間際でも笑顔を浮かべろ、決して【屈辱】を感じてはならぬ。最期くらいすべてを忘れて笑え!』

笑顔で二カッと笑った父が残した遺言がこれだった

あぁ、父さんはすべてを分かってたんだね

俺が死ぬことも、弟が反逆することも

分かったよ、最期ぐらい父さんの言う通りにするか

微かに震える唇は狐を描き片目がくり抜かれ、それでもアークは笑った

人生で最初で最後の笑みを



「はははっ」



その笑顔は余りに純粋だった

大量虐殺を繰り返しこの大陸の半分の人間を殺した男が浮かべるとは思えないほど純粋な笑み

その異様にレークはアークを斬っていた刃を止め呆然とするほど

これが怪物と称された男、アーク・ル・ブリュンヒルデの最後だった




◼◼◼◼◼



「ホギャァァ、アギャァァ(ちょ、ま、ここどこだ?)」



目を覚ますと俺は見知らぬ女性に抱かれてた

は?俺は死んだはずなのに?

アークは静かに混乱した

疲れすぎて幻が見えたんだな



「おぉ目覚めたか、アーク・ル・ブリュンヒルデ。いや、今はアシュタルテ・リナーニャ・アンリミット」



赤子の姿のアークに声をかけたのは大柄な男性だった

待て待て待て何でコイツ俺のこと知っている?

しかも『アシュタルテ』だと?

じゃあこの体は女体なのか!?

なんと最悪な‥‥‥‥‥‥



「あぶぶじゃる?(お前は誰だ?)」



う、舌を噛んだ

この体はまだ成長段階なのか満足に話せない

アークの様子を見て大柄な男性は満足そうに笑いアークを抱き上げる



「俺の名は火の神 アポロン。君の父親だ。前の人生で君は死んだが我が娘として生き返らせたんだよ。だからこれからは何も考えず好き勝手に暮らしていいぞ!」



「あじゃ?(は?何いってんだオッサン)」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

悪役貴族が、もし、転生したらどうなる? ちーずけーき @04110411

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ