第15話 2人の手駒
俺はそのままダンジョン内に捕らわれていた3人の村人にそれぞれ魔族化をほどこした。
内1人は子供だったため解放されたことを素直に喜んでいたが、親から殺されそうになって絶望していた。
「かわいそうに。俺の言うことを聞くならこれから生きていく術を教えてやるがどうする?」
「本当に?」
「ああ本当だ」
俺は魔族となった子供の頭を撫でてやり落ち着かせる。
「お兄さんの言うことを聞くよ。でも先にお父さんをボコボコにしてやりたいんだけどいい?」
「ああ。好きにして構わないよ」
そう声をかけて俺は魔族となった子供の行動を見守った。
それから数日後、魔族となった子供は俺に付き従い行動している。ダンジョンコアを確認すると、サポートモンスターの欄に魔族*1が追加されていた。
どうやら魔族は一般的な魔物とは違うらしい。どうにか数を増やすことはできないか。そんなことに考えを巡らせながら、冒険者4人のところまでやってきた。
「君たちが裏切れない方法が見つかったんだけど聞くかい?」
「ああ。聞かせてくれ」
真っ先に答えたのはダンジョンに投げ込まれたという男だった。俺は冒険者4人に【リセット】をかけた。
「俺の隣にいる子供が見えるかな?」
4人の反応は様々だったがひどく驚いていることには変わりなかった。
「俺もその姿になれば復讐の機会を与えてくれるってことか?」
「察しがいいね。この姿になるには心臓をダンジョンコアに捧げた後、魔素で代用品を作る必要がある。心臓はダンジョンコアに保存されるみたいで反抗の意思があると俺の手の中に現れて握りつぶされる。つまり裏切れば死ぬってことだね」
「俺は構わない。心臓を捧げるから復讐の機会をくれ」
投げ込まれた男の発言に仲間たちは驚いていた。しばらくの間、他の冒険者3人の答えを待っていたが答えは出なかったらしく1人だけ連れてダンジョンコアの元に連れていくことにした。
そして男は魔族となって俺の駒となった。しかし、完全に信用しきれないため子供の魔族と一緒に行動させることにした。
冒険者の男は意外と面倒見がいいらしく、「戦い方を教えてやる」というと外に出ていった。
そのタイミングでダンジョンコアでサポートモンスターの欄を確認すると
魔族 * 2
となっており、俺は微笑んだ。
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