第12話 ネームドエネミー・ハントベアと攻略の一手

ネームドエネミーのハントベアにターゲットにされた俺は、近づいて鋭い爪で引っ掻く挙動をAGI100越えのステータスでギリギリで攻撃を回避する。

逸れた爪は軽く地面を抉っていく。

これを見ただけで、相当エグイ威力だと分かる。


距離を取りつつ、避けて空いた余裕は着弾速度が速い魔法の"フェイント・ライトレイ"でヒット&アウェイ戦法で着実とHPを減らしていく。


「あのハントベア、RESとHP高いなぁ。 技術力"フェイント・ライトレイ"!」


避けを優先に続けて6分経過でやっと全体のHPが2割削る。

これがレベル差とエネミー側の種族値による硬さだ。

ここまで魔法で攻撃して続けられるのは、パッシブスキルの<MP再生>で避けた合間に回復していくからだ。

だが、スキルレベルが低いので回復量が毎秒一秒と少ないので、一回分の攻撃分が溜まるのに20秒くらい必要だ。

これはMP10消費する"ライトボール"の倍だ。

スキルレベルが上がって、扱える魔法のほうが高いMPを要求するからだ、


「20秒稼ぐの結構しんどいなぁ」


高耐久で接近攻撃の威力が一発で終わるのだ。

その20秒が濃く時間を感じる。


「ヴゥーッ!」

「くっ!?」


時間を稼ぐつもりが、方向によって体が硬直してしまい一気にピンチとなった。


「まずいって!」


熊がこちら向って走ってくる。

普通のハントベアなら、硬直してもギリギリで回避できるが、ネームドエネミーだと話が違ってくる。

そして、近くまで寄っていき爪で切り裂いてくる。


「抜けろぉーっ!」


避けるすべもなく、そのまま攻撃を喰らってしまう。

HPゲージがあっと言う間になくなる。

ところが、俺の体が暖かく光る玉が集まっていき、光に包まれる。

HPが見る見るうちに回復して全快となり、光が一気に拡散する。

その時、光輪と羽が顕現した。


スキル<復活の光輪>の効果により、復活アイテムを使用せずに復活できる。

再使用時間はゲーム内時間で1日。

つまり、現実時間だと8時間となる。

スキルレベルが上がれば、復活に加えてさらなる効果が追加される。

しかし、スキルレベルを上げるにはそのスキルを使わないといけない。


復活したがいいものの、あの咆哮を喰らえばまたHPがなくなってしまう。

復活したてだったので、熊から背向けて距離を離すために走る。

その時、自分の種族のことを思い出した。


「これ飛んで攻撃すれば完封するんじゃないか?」


これまで何時間もスキル<飛行>を使ってこなかったので、戦闘に関して頭から離れていた。

けれども、今<飛行>を使えば勝てるのかと言われれば無理であろう。

熊の耐久力では、飛んで集中的に高火力の攻撃である"ライトジャベリン"を放っても4割ぐらしか削れないだろう。

<飛行>の滞空時間がINT依存なので、今のINTだと精々2分半。


とにかく、<飛行>を使って確定で勝つに熊のHPをあと4割削る必要がある。


「長時間コースになるが、付き合ってくれよ熊! 技術力"マジックフォース"、技術力"サンダーボール"!」


熊が走って向ってるところを電撃の球を放ち、頭に命中。


「技術力"レジストカースド"」


そして、避けながら弱体化魔法でRES値を下げる。

これで"サンダーボール"の火力を上げながら、麻痺状態を狙える。


回避優先に"サンダーボール"を放ち続けて3分経過して、熊が麻痺状態となり体が痺れて手足が震え力が抜けていき体を支えることが出来ずに地面にぐったりと落ちる。


「チャンスだ! 技術力"マジックフォース"、技術力"レジストカースド"、技術力"ライトジャベリン"!」


身体を動かすことが出来ない状態を狙い、全力で高火力魔法を叩きこむ。

途中で、MPが切れたのでMPポーションを取り出して、回復してさらに魔法を放つ。

熊が麻痺状態が解かれた時には、すでにHPが4割未満となっていた。


「フィニッシュだ! スキル<飛行>」


顕現した羽が薄い光を纏い、大きく広がり羽ばたく。

空中にいることで、攻撃が当たらない熊は虚空に向かって爪で切り裂く。

だが、当たらない。


俺はインベントリから経験値ポーションを取り出して飲み干す。

これで、倒せば一気に経験値を稼げる。


「行くぞ、ハントベア! 技術力"マジックフォース"、技術力"ライトジャベリン"!」


飛べない相手に一方的に魔法を叩きこみ、やっとの思いで熊が力が尽き霧のように消滅する。

目の前には大量のコインとドロップアイテムである、『〔飢えた〕ハントベアの毛皮』、『〔飢えた〕ハントベアの爪』と〔飢えた〕が付与された装備に宝箱が現れた。

まずはドロップ品の装備は、『〔飢えた〕熊の手』という、熊の手が先端にある杖だった。


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『〔飢えた〕熊の手』


INT+12 RES+5


〔飢えた〕:与えたダメージの1%分HPを回復する。


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テキストフレーバーを見ると、まさかのドレイン系の付与効果。

HP低い俺にとってあまり恩恵はないが、INTの高さが魅力的で装備を変更する。

続いて、宝箱を確認する。

そこには木彫りの腕輪があった。


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『〔叡知の〕紋章の腕輪』


INT+5 RES+5 VIT+5


〔飢えた〕:INTが5上昇する。


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こちらもINTが上昇する装備で強いのだが、付与効果もINTが上がるので今回の報酬だけでINTが20上がるのは運が良すぎる。

これで火力が大幅に上昇するであろう。

しかも、ハントベアのネームドエネミーの討伐による経験値が多く、一気にLv2上昇した。

経験値ポーションのおかげでギリギリLvが2上がったようだ。


激闘が終えたことで集中力が切れたので、入手した装備はすぐに装着して休憩しようと思いログアウトボタンを押そうとしたとき、茂みが揺らぐ。

その茂みから顔を出したのはゴブリンだった。


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ここ最近忙しいので、更新頻度が減るかもしれません……。

いつになったらメインヒロインが出せるのか……。

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ゲームマスターの俺が世界を創造する。 抹茶プリン @Green_tea_pudding

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