第3話 始まりの街

アバター作成後は、必ず始まり街にある噴水の前に転移される。

そのためか、多くに初期装備のプレイヤー集まっていた。


「スッゲー賑やかだ!」


様々な種族のアバターが会話したり、コミュニケーションを取っている姿が見える。

その中に、すでに装備を付けているプレイヤーまでいた。

ほかにも、最初の街を探索して燥ぐ姿を見て、内心は歓喜している。


「これだよ、これ! 俺が見たかった光景!」


クリエイターはユーザーの反応が一番の栄養だ。

この光景をスクリーンショットで画像を保存して、不具合対応用に出社している開発陣宛てに添付して送る。

別に嫌がらせ目的ではない。


最初の街には、様々な施設が存在する。

メインクエストに関係する「冒険者ギルド」。

戦闘アイテム、回復アイテムと生産素材が売っている「商業ギルド」。

おしゃれをしたいプレイヤーに需要がある「ブティック」。

戦闘用の金属製装備を販売、依頼制作ができる「鍛冶屋」。

戦闘用の生地など用いた装備の販売、依頼制作ができる「仕立屋」。

魔法を極める者が集まる「魔法ギルド」。

魔法に頼らず、武器を使って強さを極める者が集まる「武闘ギルド」。

自分だけの拠点を買ったり、作れる「不動産ギルド」。

これらの施設は、各街に存在する。


次にこの街しか存在しない施設もある。

それは、生活コンテンツとして遊べる施設だ。

このゲームでは、色んな層のユーザーを集めたいために様々な遊びがある。


まずは、王道の釣りだ。

低レベルの魚を釣れる釣り堀がある。

まずはそこで釣りスキルを取得して、経験値を稼ぐ目的だ。

街から出ればフィールドマップが多くあるので、様々な釣りができる。


次に、スポーツ施設だ。

このゲームならでは遊べるフットサル、野球、テニスだ。

どれも、スポーツをやり続けるとスキル経験値が上がりここでしか取れないスキルを獲得できる。

またそのスキルを用いてスポーツが出来る。


最後はゲームセンターだ。

ゲーム内マネーを使用して、クレーンゲームでぬいぐるみを取ってハウジングシステムで自分の家に飾れたり、

ミニゲームの機体とかがある。

これも遊べばスキルを取得できる。

ただし、戦闘に役に立つかは本人次第だが。


一つ一つの施設を軽く見ていく。


まずは冒険者ギルド、ここではクエストと言われる依頼の張り紙が貼られている。

クエストを発注しているのは、冒険者ギルドだが冒険者に所属していないNPCも依頼がある。

そうした依頼は、サイドストーリーとして成り立つことがある。

そしてクエストは、AIが近場のフィールドに出現するエネミーのレベルに合わうような難度で自動生成されている。

なので、いきなり高レベルのエネミーを討伐するようなクエストは出ない。


クエストはプレイヤーも発注できる。

これは生産系とか戦闘に拘らないプレイヤーに対する救済処置だ。

ゲーム内マネーや代価に成り立つアイテムをクエスト報酬に設定すれば、依頼内容は自由。

ただし、それを熟す者が報酬に見合うと思うなら成立される。


またクエストには制限時間が設けられている。

これは、貼りだしてからタイマーがセットされる、制限時間を超えると自動的に削除される。

制限時間は依頼主が自由に制限時間を設定出来るが、最大でゲーム内時間で336時間だ。


ゲーム内時間とは、現実とは時間の流れが違う。

これは、夜からログインしても朝で発生するクエストやイベントを受けられるよう配慮した設計だ。

ゲーム内の1日は、現実世界の8時間である。


折角、冒険者ギルドに来たので、Lv1からでも達成できそうなクエストを受けていく。

選んだクエストは、近場の草原フィールド『ビギナー』に出現する『ホーンラビット』を3体討伐する内容だ。

ほかにも、並行して達成出来そうなクエストを選んでいく。

薬草『ウスインダー』を5枚採取と『アングリホース』を2体討伐を受注する。


これで用が済んだので、商業ギルドに向かう。

初期所持金が10000C(コイン)で、これから買うのはフィールドに出るなら必須な回復アイテムであるポーションを買う。

初心者が買えるのは、下級ポーションの一個2000Cする高めの設定だ。

こういった回復アイテムやバフ系アイテムを安くすると、ロールプレイでヒーラーやバッファーの存在価値が薄くなるため設計してある。

高いのなら、素材を買って自分で生産すればコスパがいい。

ただし、ステータスがボロボロになりそうだが。

生産系では、DEXが重要であるため、そのステータスを使うような弓を主体にしているビルドなら成立しそうだ。

俺は、下級ポーションを4つ購入して商業ビルドを出る。


次に向かったのは、魔法ギルドだ。

ここでは、NPCが作った設定である技術力アーツのレシピが売っている。

各属性の魔法のレシピが売っていて、魔法系のプレイヤーたちがそのレシピを買おうか吟味している。

物理系の技術力でもそうだが、それに似合ったスキルが未所持でも技術力が扱えるが、威力が落ちて消費するスタミナやMPが増える。

ただし、撃つ度にスキル経験値は獲得するので、そこまで悲観せずに済む。

俺は、残りの2000cを使い”マジックフォース”という強化魔法を購入する。

これは、対象のINTを効果時間内の間上昇する効果だ。

当分はソロだと思うので、自力でバフ掛けれるなら便利だろう。


もう金がないので、気が向いたら向かおう。

今は、速く戦闘したい気分だ。


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やっと次回は戦闘?

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