第2話 イベント企画と自キャラ作成

ゲームが発売間近、成幸は運営陣と会議で突然ゲームイベントの企画書を提出して会議を行う。

そのイベントとは、「祝リリース記念 冒険者応援キャンペーン」というリリース時から2週間の間、キャラ経験値、スキル経験値、クエスト報酬金額を獲得倍率を1.2倍という内容だ。

これに乗っかり、SNSの宣伝、公共場所の宣伝、CMを流してライト層のプレイヤーを集めようという思惑だ。


運営陣も乗り気で、開発陣に頼み実現することになった。

後から開発陣から説教されたが。


そしてとある日の金曜日が訪れ、発売日当日となった。

宣伝のおかげで全国にある販売予定の店の前が大蛇の列となっており、社会現象レベルだった。

海外は一か月遅れで販売することになっている。これは、海外サーバーを建てるのに時間が掛かっているためだ、別に私怨でフラゲさせないという気持ちはないとは言い切れない。


ゲームソフトの販売価格は9800円とクオリティを見れば安く感じる。

そして、VR機種の販売会社と提携してVR機種とセット販売もされることが決定している。

価格は11万で、其のうちVR機種は普段は10.5万円で販売されているのでかなりのお得だ。

因みに、クラウドファンディングで5万以上投資してくれた者には、ゲーム本体とVR機種のセットと、先行プレイが可能なシリアルコードが送られていた。

VR機種は限定のコラボデザインとなっている。


ネット上では大反響だったので、それを見越してサーバーを多く立てていたおかげで、サーバーがオーバーヒートせずに分断出来て緊急メンテせずに済んだ。

そのことを誰よりも安堵した人物は、成幸だった。

成幸は、販売当日という大慌てなのに有休を三日間取って計5日間の休日となっていた。


「さてと、ゲームを起動するかな」


彼は自室でVR機種を装着して、ベッドで身体を楽にしていた。


なぜ開発者なのに、先行プレイをしないかって?

リリース直後の祭りを一緒に楽しみたいからだ。


徐々に意識がゲームの方に向かう。

気が付くと、何度もテストプレイで見た光景であるキャラビルド用の真っ白の部屋だった。

ここでは、自分が第三者視点となり自分自身のアバターのプレイヤー名、属性、見た目、種族、初期ステータス値の振り分けに、初期スキルの習得を設定する。


キャラの性別は、VRに設定されている性別で登録されている。

VR機種は、課金などでクレジットなど用いているので、本人認証とかあるので性別は余程じゃない限りは偽れない。

なので、自然にネカマやネナベが淘汰される。


まずはプレイヤー名だ。

これはテキトウに自分の名前からとって「ナッラー」にしておこう。


次に属性は、月日を入力するとそれに応じた属性になる。

属性は、火、水、風、土、光、闇、幻、無の8属性に分かれている。

相性図は、以下のようになっている。


火←水  光

↓ ↑ ↗ ↘  無

風→土 幻←闇


受ける属性攻撃に対する弱点は、どれも威力が1.3倍が加算されて、有利属性の場合は0.8倍に減少できる。

ただし、無属性だけは弱点、有利はないので、属性攻撃はすべて等倍である。


そして、自分は10月4日が誕生日なので、入力すると光属性に決定した。


次は、見た目の設定だ。


「見た目は今の感じから少し若くしよっと。 髪型は……この短髪の金髪でいいや。 男なんぞに見た目は拘らん!ただし若さを別だ。 瞳はスカイブルーで」


淡々と表示されているウィンドウを操作していき、種族選択画面に移り変わる。

そこには多種多様な種族の一覧が表示され、右下には「種族選択チケット」のボタンが配置されている。

この種族選択チケットは、第一回クラウドファンディングの100万以上の巨額投資者に配われているアイテムだ。

チケットを使用すると、一覧に載っていない全種族から一つ選択できる。


種族は見た目だけが違う、ということはない。

ちゃんと性能が分かれている。

ステータスの加算補正が合計で100%になるように、種族に似合うようなパラメーターの補正が全種族に設定されている。

一覧で種族を選ぶときに、概要として「〇〇〇(パラメータ名)が強くなりやすい」と記載している。


アバターは一度設定すると変更ができないため、慎重に選ぶ。

このことは事前にPVで伝えて、ゲームメディアの雑誌やサイト、先行プレイしているインフルエンサーにも周知するようにしている。


俺はもちろん開発者なので、種族選択チケットを持っている。

というか、社員全員に全クラウドファンディングの最高支援者に渡している激レアアイテムのシリアルコードを配布している。

開発者の一人は、先行プレイで遊んでいて一覧に載っていない種族の「魔族」でプレイしていると聞いていた。


「パラメーターが多すぎて、どのように育成するか迷うな……。 魔法特化のビルドにしたいしエルフか上位のハイエルフにするか? でもなー、食料アイテムの肉カテゴリーなど使用不可のデメリットがあるし……」


ゲームであっても、リアルに楽しんでもらいたいとプランナー達と一緒にリアルにいたらと妄想しながら、種族によって、様々な設定がされている。


「思い切って、アンデッドのリッチにするか? カルマ値を悪よりになってプレイがしづらくなりしな……」


カルマ値とは、能力値に属する値で主にプレイヤーのロールプレイ内容大体分かり、NPCは好感度とカルマ値によって会話の内容が変わるのだ。

なので、カルマ値が悪よりなればなるほど、善よりのNPCから受けられるクエストが減っていくのだ。


「どうしよう。すっげー迷うな。 こんなのすぐに時間が溶けてしまう!」


それから一時間が経ち、ようやく選んだのは天使族だ。

天使族のパラメーター補正は、RESが130%とATTが170%上昇して、初期スキルが固定で<飛行>が設定されるので、選べる5つの初期スキルの一枠が潰されることが決定する。

また、敵のカルマ値が悪寄りなればなる程、その敵から受けるダメージが1.2倍加算される。


次に初期ステータスだ。

初期値は一律10ポイント入っており、全員にステータス値が100ポイントが貰える。

最初から魔法特化のビルドにすると決めているので、このように割り振った。


--------------------------------------


プレイヤー名:ナッラー  性別:男性

Lv:1

【属性】:光

【HP】:150/150

【MP】:310/310

【スタミナ】:150/150


【種族】:天使族:RES(+30%) ATT(+70%)


【職業】:

【サブ】:


▼ステータス値:


【STR】:10

【VIT】:10

【INT】:70

【RES】:10(+3)

【DEX】:10

【AGI】:50

【CHA】:10

【ATT】:10(+7)

【SEN】:10

【LUK】:10


▼装備


【頭】:-

【首】:-

【服】:-

【左武器】:-

【右武器】:-

【腕】:-

【腰】:-

【足】:-


▼スキル欄

<飛行Ⅰ>、<???>、<???>、<???>、<???>


▼技術力


【カルマ値】:0


--------------------------------------


俺はINTとAGIを中心に育成して、速攻魔法詠唱型にするつもりだ。

LUKを上げて火力特化もいいが、当分はソロだろうし別にいいだろ。


最後に初期スキルだ。

これも一覧が表示されている。

初期スキルなので、そこまで強力なスキルはないが俺にとって必須スキルがある。

それは<MP再生Ⅰ>だ。

こういったスキルがないと、アイテムや、休憩アクションでしか回復できない。


次に属性魔法の<光魔法Ⅰ>を選ぶ。

すると、初期魔法の”ライトボール”のレシピが配布される。

スキル欄に属性魔法があると、NPCの技術力のレシピが売っている店でレシピを購入できる。

ただし、スキルレベルに応じて品が変わる。


次にアクティブスキルを選ぶ。

魔法特化でVITにステータスを振っていないので、とても脆いキャラになっている。

なので、防御面として<緊急回避Ⅰ>を選ぶ。

効果は2秒間無敵になりつつ、同時に自動でバックステップをして距離を取る。

レベルⅠだと冷却時間が30秒かかるが、レベルを一つずつ上がれば2秒短縮されて、やがて20秒短縮する。


ついでに<飛行Ⅰ>もアクティブスキルだ。


そして、最後は第2回クラウドファンディングの巨額投資得点の『初期スキル選択チケット』を使ってスキルを獲得する。

俺はチケットを使い、さらなる一覧が表示する。

表示を下にスクロールしていくと、目当てのスキルを選ぶ。

<復活の光輪Ⅰ>というアクティブスキルだ。

これは珍しい自身を蘇生するスキルだ。

このゲームは蘇生アイテムは存在するが、店やレアリティの低い素材でつかった蘇生アイテムは自身には使えず他人しか使えない。

自身に使える蘇生アイテムは、課金やレアリティの高い素材を使った生産アイテムしかないので、かなり貴重であることが分かっただろう。


こうして成幸は自キャラの作成が終わり早速、最初の街に転移されるのであった。


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早くヒロイン出したい。

ゲーム世界モノのステータスはこんな感じでいいのだろうか?

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