第4話 遭遇!? いきなりネームドエネミー

ここ『ビギナー』に出現にするエネミーはLv2~12で出現ポップするため、初めの狩りとして適したフィールドだ。

ただし、例外はある。


それは各マップに設定されているフィールドに存在するフィールドエネミー、エリアエネミーとネームドエネミーだ。

フィールドエネミーは、そのフィールドのボスで固定の場所でしかポップしない。

エリアエネミーは、フィールドには各エリアが存在してそのエリアのボス的役割を持っているが、フィールドエネミーと同じで決まった場所でしかポップしない。

一番厄介なのは、ネームドエネミーだ。

これは、ランダムにポップしてそのエリアを徘徊する。

そのエリアで通常にポップするエネミーの変異体だ。

元になったエネミーのレベルから10以上加算された状態でポップするため、ほぼ初見殺しだ。

ネームドエネミーの見分け方は、画面上に表示されるエネミー名が「〇〇〇の元になったエネミー名」で統一されている。

フィールド、エリア、ネームドエネミーを討伐すると、報酬が美味しい。

レアアイテムた装備がドロップしやすくなっている。


そして、街から出てすぐにネームドエネミーが出現していて、それと戦っているプレイヤーが見える。

まだ始めたばかりのプレイヤーが中心のためほぼ壊滅状態だった。

そのネームドエネミーは「獣キラーのホーンラビット」で、土属性でレベルは13と大きい。


「ここって最初のステージじゃないのかよ!?」

「これってネームドエネミーって言われているヤツだろ? 昨日先行プレイしているヤツの実況動画で見たぞ」

「しゃべってないで、さっさと回復してろ、そろそろHPが持たない」

「少し引き付けるから、お前は下がって回復してろ!」


大盾を装備してるドワーフ族プレイヤー、片手剣と盾を装備している犬型獣人族プレイヤーと魔法使い風の杖を持っている二人のヒト族プレイヤーの4人パーティーが激闘を繰り返している。

大盾使いは少し下がり、すぐに下級ポーションを取り出し、飲み干してHPを全快にする。


「くらえ兎野郎っ! 技術力アーツ"彗星切り"っ!」


片手剣使いが、ネームドに向かって剣を一振り。

刃の部分が青白いエフェクトの光が包み、軌跡を描く。

その攻撃がネームドにクリーンヒットをして、HPを1割半を削る。


あのエフェクトは、課金して買えるエフェクトの一種だ。

おそらく、すでに技術力を作ったプレイヤーがいたのであろう。

そのレシピを買って、初めて実戦した感じだ、


「クソっ!少ししか削れねぇ」


それはそうだ。

彼のLvは3で、ネームドのLv13という10の差がある。

ネームドは、反撃と言わんばかりに足をバネのように溜めて、力いっぱいに地面を蹴る突進。


「間に合え、スキル”カバー”!」


アクティブスキルを唱え、一瞬で片手剣使いの前に移動する大盾使い、盾を前に出し防御姿勢を取る。


「盾役(タンク)を失わせるか! 技術力"ディフェンスフォース"! 技術力"アタックカースド"」


攻撃が当たる前に魔法使いの一人が、強化魔法で大盾使いのVITパラメータを一時的に上昇させる。

そして、ネームドの方にも魔法を掛ける。

弱体化魔法によって、ネームドのSTRパラメータを一時的に減少させる。


そのバフ、デバフがあったことにより、大盾使いは死なずに敵の攻撃を防ぐことに成功する。


「まじかよ、バフデバフがあってアイツのHPが9割持っていかれたのかよ……」


さっきまでネームドに立ち向かっていた片手剣使いは軽く絶望してた。


「一旦、街に戻りましょう!」

「そ、そうだな」


もう一人の魔法使いが提案して、撤退の行動に出た。

彼らが撤退したことにより、ネームドのターゲットは他のプレイヤー向く。


ネームドエネミーは、一度ポップしたら討伐しない限りそのエリアを徘徊する。

つまり、ここで倒さないと初心者が狩りやすい平穏なエリアが訪れない。


「やっぱこういう一つは天災みたいなシステムがあると、緊張感があって探索が楽しくなるな」


他のプレイヤーがネームドに阿鼻叫喚している様を、いたずらが成功してそれを楽し気に観戦するように眺めていた。


「今のLvだと厳しいから、少し上げて挑むか。それまでに誰かが倒してくれるならいいが」


すでに先行プレイをしているプレイヤーはすでに別のフィールドで狩りをしていると思うので、この現状で誰かが倒すのは厳しいであろう。










狩りを初めてから30分が経過した。

Lv1だった俺は、エネミーから獲得した経験値とクエスト達成で獲得した経験値で今はLv5まで上がっていた。

基本的にLvが1上がるとステータス値が10ポイント貰える。

種族やスキルによっては変動はあるが、天使族は10ポイントは貰える。

その結果がこれだ。。


--------------------------------------


プレイター名:ナッラー  性別:男性

Lv:5

【属性】:光

【HP】:175/175

【MP】:419/419

【スタミナ】:175/175


【種族】:天使族:RES(+30%) ATT(+70%)


【職業】:

【サブ】:


▼ステータス値:


【STR】:10

【VIT】:10(+4)

【INT】:95(+3)

【RES】:15(+4)

【DEX】:10

【AGI】:60

【CHA】:10

【ATT】:10(+7)

【SEN】:10

【LUK】:10


▼装備


【頭】:

【首】:

【服】:布の服

【左武器】:-

【右武器】:初心者の杖

【腕】:

【腰】:

【足】:皮の靴


▼スキル欄

<飛行Ⅰ>、<MP再生Ⅰ>、<光魔法Ⅰ>、<緊急回避Ⅰ>、<復活の光輪Ⅰ>


▼技術力

<ライトボール>、<マジックフォース>


【カルマ値】:0


--------------------------------------


Lvが4上昇したので、ステータス値が40。

その内INTに25、RESに5、AGIに10に割り振っている。

装備品である杖はINTに3加算され、服と靴でVITに4加算されている。


これで十分だろう。

よし、ネームドを狩るか。


ネームドがいる方へ向かう。

そこでは、初心者プレイヤー達がネームドに見つからないように中腰の姿勢で忍び足でほかのエリアに向かうとしている光景が映っていた。


ネームドは2本足で立ち上がり、周囲を見渡している。

まだ気づかれていないので、そこでステルスアタックが出来るチャンスが生まれた。

ステルスアタックが決まれば、通常の1.5倍もダメージが入る。


杖を前に出して、狙いを定める。


「技術力"マジックフォース" いけっ! 技術力"ライトボール"」


攻撃をする前に自分に強化魔法でINTを上昇させてから攻撃をする。

杖の先の方から小さな魔法陣が現れ、そこから光の球がネームドへ目掛けて発射する。


「キーッ!」


その球に直撃して、尚且つステルスアタックが成功して一気にHPの4割を削れた。


ネームドは俺の存在に気づき、ターゲットを絞り突進を繰り出す。

その行動を見てすぐに左へ飛び、突進を回避する。

突進が外れたネームドはそのまま地面を抉り、動きが止まる。


「よし、技術力"ライトボール"」


その隙に狙いを定めて、光の球を放つ。


「キーッ!」


それに直撃をしてHPが2割弱削れた。


「この調子なら切り札使わなくても余裕だな」


ネームドのHPが半分以下になったことで、行動パターンが変化する。

軽く跳び頭を地面に向かうよう体制を変えて、体に回転を加える。

そのまま地面に接触して、ドリル状に地面を掘って姿が消える。


「この攻撃は厄介だな。 もし当たったらこれ普通に死ぬわ」


徐々に地面から振動が伝わる。

そろそろ真下に顔を出すであろう。


「スキル"緊急回避"っ!」


少し地面が凸ってきた感じで、スキルを発動して後ろに下がる。

丁度地面から飛び出してきたドリルが頬を掠る。

危機一髪だった。

スキルにより多少の無敵時間があったことで、HPが減らずに済んだ。


「技術力"ライトボール"」


俺はすぐに攻撃をする構えにして、空中にいるネームドに目掛けて魔法を放つ。


「キィーっ!!」


この鳴き声は、手ごたえが合ったな。

幸運にもクリティカルダメージが発生した。

それにより一気に3割強ダメージが入り、ネームドは地面に転がり虫の息だ。


「技術力"ライトボール"」


俺は止めに転がっているネームドに魔法を放ち、戦闘を終える。

Lv差がありながら、強者に勝ったことで多くの経験値が獲得して一気にLvが3上昇した。

そして、ネームドが倒されたことでドロップ品が落ちて、ラストアタックボーナスにより宝箱が出現した。


報酬はホーンラビットの皮が5枚、4000C、〔跳躍力の〕兎皮の靴がドロップした。

足装備である兎皮の靴に能力が付与されたエンチャント装備が手に入った。

通常よりステータスや追加効果が付いている。

俺はすぐに足の装備を変更する。

効果はAGIに5を加算する地味に嬉しい効果だ。


次に宝箱の中身を確認する。

〔獣キラーの〕兎皮の服だ。

その効果は、獣型のエネミーに対するダメージを5%上昇する。

少し微妙だがないよりはマシだろう。


そして、ステータスを更新する。


--------------------------------------


プレイター名:ナッラー  性別:男性

Lv:8

【属性】:光

【HP】:250/250

【MP】:434/464

【スタミナ】:250/250


【種族】:天使族:RES(+30%) ATT(+70%)


【職業】:

【サブ】:


▼ステータス値:


【STR】:10

【VIT】:10(+12)

【INT】:105(+3)

【RES】:15(+4)

【DEX】:10

【AGI】:80(+5)

【CHA】:10

【ATT】:10(+7)

【SEN】:10

【LUK】:10


▼装備


【頭】:

【首】:

【服】:〔獣キラーの〕兎皮の服:獣型のエネミーに対するダメージを5%上昇する。

【左武器】:-

【右武器】:初心者の杖

【腕】:

【腰】:

【足】:〔跳躍力の〕兎皮の靴:AGIが5上昇する。


▼スキル欄

<飛行Ⅰ>、<MP再生Ⅰ>、<光魔法Ⅰ>、<緊急回避Ⅰ>、<復活の光輪Ⅰ>


▼技術力

<ライトボール>、<マジックフォース>


【カルマ値】:0


--------------------------------------


Lvが3上がったことで、ステータス値が30ポイント増加して、INTに10、AGIに20を割り振った。

装備によるパラメータ増加で少しバランスがよく見えるのは気のせいだろうか。

少しAGIを上げたら、次はLUKを上げてみたいと思う。

LUKでクリティカルダメージによる火力を上昇してみたい。


ネームドを倒したから、このエリアに平穏が戻って来た。

それにより続々とプレイヤー達が戻って来た。


「さて次は、エリアエネミーを狙うか」


次の目標はエリアエネミーを討伐を目標に設定する。

その前に、新たなクエストを受注したりしてLvを少し上げたい。


休憩がてら、冒険者ギルドに向かうため街に戻る。

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