第4話

 魔王に勝利し、終末戦争を乗り越えた人間たち。次に起きたのは魔王たちのものだった土地を奪い合う人間同士の争いだった。


 ついこの間まで仲間だった人々が争う姿は、本当に魔王を倒して良かったのかと自分の不安を掻き立たせていた。


 そして、人間の中で1番の功労者であり、救世主でもあった俺をどうにか手に入れようと各国は使節団を派遣した。


 しかし、人間同士の争いに加わる気がなかった俺は、その申し出を全て断った。もう人間に関わること自体、辞めたい気持ちになっていた。


 すると、各国は徐々に俺に対する姿勢を変えていった。強大な力を持つ俺を、まるで新しい魔王のように恐れていたのだ。


 これ以上、争いを大きくしたくなかった俺は、自らをとある場所に封じ込めた。自分に人間たちの怒りの矛先を向けることで世界に真の平和が訪れたのだった。


 そして、長い月日が流れた。

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