第41話 最終決戦
地震はますます激しさを増し、なかなか吹き矢は目に命中しなかった。
水晶の針は残りわずか3本となり、ミコは力を振り絞り、水晶を犠牲にする覚悟を決めた。
心の中で「やむを得ない」とつぶやき、彼女は水晶を地面に突き刺し、それは地中へと消えていった。
ミコは首にかけている勾玉を高く投げ上げ、祈りを捧げた。
その結果、ミコが突き刺した水晶の力とエンマタイの地震を引き起こす力が重なり合い、地震は一時的に弱まった。
この瞬間、ミコはレミルに合図を送った。
「今です!」と。
レミルはその声を聞き、まるで待っていたかのように、エンマタイに吹き矢を放つべく進んだ。
レミルの吹き矢は、見事にエンマタイの目に命中した。
エンマタイは、「あっ、あっ」と驚きの声を上げて目を隠し、倒れ込んだ。
そして、私の目に針を突き刺すものがいたなんて!なぜだ!もう少しで、全ての民を支配下におさめることができたのに。
そう言いながら、仕方がない、一旦撤退するしかないのだと考えた。
エンマタイは地の民たちに撤退を命じた。
そして、エンマタイは地に戻る前に最大級の地震を引き起こし去って行った。
その時、山の民たちが敬う「神の山」が崩れ始めた。
それを見たミコは火の民たちに命じた。
崩れ始めた神の山を破壊するようにと。
火の民たちは驚いたが、崩れた岩をエンマタイの逃げ去った穴に詰め込もうと試みた。
「神の山」と敬う山が崩れ、大きな岩をエンマタイの逃げた穴に収めるため、チグの風の力とサコの声で鳥や動物たちを操り、全ての民たちが協力し、岩を穴に詰め込むことに成功した。
エンマタイは神の山の岩が、山の民たちによって穴に詰め込まれるなど、考えもしなかった。
そして、大きな岩は次々とエンマタイの穴に入っていった。
その岩に、ルイが開発したあの光を発する薬草を、ジルが矢で命中させたのだ。
岩は、光を発する薬草と共にエンマタイの穴を完全に塞いでしまったのである。
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