第37話 卑弥呼の決意
しかし、卑弥呼とミコはエンマタイの攻撃を食い止めることがなかなかできず、エンマタイの溶岩と火砕流がすぐそばまで迫っていた。
そして、溶岩と火砕流が2人を飲み込もうとした時だった。
卑弥呼は、首に下げていた水晶の勾玉を空高く投げた。
そして、手に持っていたまじないの杖を勾玉に投げ当てた。
すると、まばゆいばかりの光が一瞬に広がり、溶岩と火砕流が止まったのだ。
卑弥呼はミコに洞穴に避難するよう指示した。
しかし、ミコは卑弥呼様を置いてはいけません!そう言うと、卑弥呼は
「私の指示が聞けないのですか?」
と言い、ミコにもし私に何かあったら、あなたが邪馬台国の復旧に勤めるのです。
そう言って、ミコに少し微笑んで洞窟に避難させた。
一方、卑弥呼とミコがエンマタイと戦っている間、レミルとルイは、地の民の洞窟からの攻撃に、対策を考えていた。
そして、ルイはレミルに対して、地の民の洞窟を上から岩で封じる提案をした。
それによって、地の民が地下から出てくることができなくなるのだ。
さらに、塞がった岩には、ルイが新たに考案した光を発する薬草を塗ることで、地の民が地上に二度と姿を現さないようにするのだ。
レミルもこの提案に賛成し、力強い川の民に協力を依頼して大きな岩で穴を封じることに決めた。
しかし、常に攻撃を仕掛けてくる地の民の防壁に近づくことは困難を極めた。
ルイはレミルに、地の民が攻撃している壁の小さな穴から吹き矢を通すことはできないか?と尋ねた。
レミルは、
「あの小さな空気穴は勾玉くらいの大きさの穴だけど、大丈夫。俺の力なら、必ず吹き矢で地の民を倒してみせるよ!」とルイに言った。
すると、ララが川の民を連れてレミルとルイのもとに現れた。
川の民は大きな岩を集めて準備をし、その岩にルイが光の薬草を塗った。
そして、レミルが吹き矢の姿勢を整え、みんなに目で合図を送ると、吹き矢を放った。
吹き矢は見事に地の民の防壁の小さな穴に入り込み、「うっ!」という声と共に攻撃が止んだ。
同時に、ルイは川の民に地の民の穴を岩で塞ぐように頼んだ。
力強い川の民は迅速に岩で穴を塞いだ。
これにより、地の民はこの場所から出入りすることができなくなったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます