第36話 エンマタイの怒り

 バグルの勇敢な最後を見届けていた卑弥呼やミコ、山の民たちは涙を流しながらも、山の民を守るための勇敢な行動に心を打たれた。

 ジルも大声で叫びながら涙を流し、バグルとともに生きてきた人生がよみがえり、地の民への復讐を誓った。

 エンマタイは、オニキとオニヤを失い、怒りに震えていた。

 彼は地の民全体の力を結集し、戦いの準備を着々と進めていた。

 一方、山の民はバグルをはじめとする多くの勇者をこの戦いで失っていた。

 ヒコは、体力を回復するための食事を与え、ルイは、傷ついた戦士たちの治療に当たっていた。


 そして、その時がやってきた。

 雲が黒く覆い、地面が響き、稲光が山の民に迫ってきたのだ。

 そう、地の民のエンマタイが攻撃を開始したのだ。

 レミルとルイは、地の民が攻撃してくる穴に向かって進んだが、穴の周りには壁が築かれ、地の民は身を守っていた。

 2人は一旦隠れて状況を考えた。


 エンマタイは、溶岩と火砕流を同時に操ることができる強大な力を持っていた。

 そして、彼らは最大の戦いに突入したのである。

 山は火を吹き、大爆発した。

 猛烈な攻撃によって溶岩が噴き上がり、山の民たちを襲った。

 エンマタイの攻撃は恐るべきものであった。

 どこからともなく降り注ぐ溶岩に加え、黒く迫りくる火砕流に人々は逃げる術もなかった。


 しかし、卑弥呼はアグやチグたちの使い人の力を借りて戦った。

 両手を広げ祈りを唱え、すべての光を集めて火山に撃ち放った。

 すると、火山の溶岩の流れが変わり、山の民から遠ざかっていったのだ。

 しかし、空からはまだ溶岩が降り注ぎ、山の民を苦しめた。


 ミコは卑弥呼と共にエンマタイに立ち向かった。

 しかし、エンマタイは腕を失った時の攻撃を避けるために、溶岩でできた鎧や針を使った盾を防御にしていた。

 そして、エンマタイはミコと卑弥呼に向けて、すべての溶岩と火砕流を集めて攻撃してきた。

 ミコと卑弥呼は逃げるすべもなかった。

 卑弥呼の力によって溶岩の流れが変わり、山の民は川の民たちも何とか生き延びることが出来ていたのだった。

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