第33話 成長の証
しかし、技術力の差により、地の民の攻撃を完全に防ぐことは容易ではなかった。
卑弥呼は、レミルとルイに地の民が隠れて攻撃している場所に向かい、攻撃を食い止めるように命じた。
レミルとルイは、バグルとジルから得た情報によって地の民の攻撃の場所を知ることができたのだった。
最初に、ルイは幻覚を見せる薬草を焚いた。
すると、地の民は何が起きているのか全くわからず、恐怖におののいていた。
その隙に、レミルが吹き矢で攻撃を仕掛けた。
地の民は攻撃がどこから来たのか分からず、味方同士で争い始めてしまったのだ。
この方法により、レミルとルイは地の民の攻撃場所を次々と制圧していった。
その結果、地の民の攻撃は徐々に収まり始め、山の民は反撃に転じたのだった。
バグルとジルを中心に、サコやヒコ、アグ、チグなどの海の民や川の民たちが協力して攻撃に参加した。
彼らの協力は見事であり、技術力に勝る地の民たちも引き下がるしかなかった。
ほとんどの地の民が、地の底に逃げ込んでしまった。
しかし、その後、地の民のオニキとオニアが姿を現した。
山の民にとっては、強敵の空の民を打ち破り、今度は我々を苦しめる戦いを始めるつもりだろう。敵であるが、お前らは優れた戦士たちを従えているな。しかし、このままでは済まさせない。これからが本当の戦いだ!
と、そう言って彼らは地の底に消えていった。
ミコはミユヒルの死によって、悲しみに沈み、立つことすらできなかった。
卑弥呼もこのことを知り、戦いへの参加を無理に指示しなかった。
レミルとルイの活躍によって、地の民の攻撃を回避できたことはミコに伝わっていた。
レミルはミコに
「父の死を悲しむ気持ちはわかるが、今のままでは来世で再会することさえ失ってしまう。来世で父、ミユヒルと出会って恥ずかしくない現世を生きよう!」
と伝えた。
ミコは、自分の子供が成長した言葉に心を動かされ、来世でのミユヒルとの再会を願った。
そして、卑弥呼やミコ、そして山の民は結束し、戦いの準備や防御を急いだ。
ちょうどその時、地の民のオニアが姿を現した。
オニアはエンマタイの使い人であり、溶岩を操る力を持っていた。
彼は、ありとあらゆる場所から溶岩を湧き出させ、全てを焼き尽くそうとした。山の民が避難している唯一の領域に向けて、溶岩が流れ込み始めた。
山の民が築いた堤防も歯が立たず、家や建物も破壊されようとしていた。
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