第29話 山の民の守り
その知らせを聞いたエンマタイは、怒りに震え、山の民の全滅を試みた。
ミコ、ルイ、ミユヒルが山の民の元に辿り着いた時、村は無惨に破壊されていた。
ただ一つ、ミコがダウジングで導き出した安全な場所に、避難することができた山の民と卑弥呼だけが無事だった。
ミコとルイは、ミユヒルを連れ帰り、卑弥呼に地の民の恐ろしさと技術力の凄さ、そして冷血で容赦のない戦いをする集まりであることを伝えた。
卑弥呼はこれまでとは異なる覚悟で地の民と
ミユヒルの傷はルイの薬草で治療し、しばらくの安静によって回復に向かうであろう...。
また、地の民が攻撃してきた場合に備え、卑弥呼はサコやヒコたちに、山の民のいる場所に高い塀を築き、防御を固めるよう指示した。
山の民は休む暇もなく、塀や攻撃の道具を作り始め、ルイは火の民から得た道具を塀の内部に設置した。
海の民のチグやアグも手伝いに現れ、川の民の力強さが仕事を円滑に進めた。
そして、山の民の防衛も完成が近づいた頃だった。。。
再び、あの地響きが始まった。
今までとはまったく異なる、驚異的な勢いの地震がやってきた。
地の民の支配者であるエンマタイは、やはりミユヒルを逃がしたことによって怒りが収まらなかったのだろう。
山の民たちは立ち上がることさえままならず、手もつけようがなかった。
その時、山から岩が転がり落ちてきた。
山の民たちが築いた塀は地震と崖崩れの岩によって完全に破壊されてしまった。
逃げ惑う山の民たちには、毒の矢や火の攻撃が待ち構えていた。
山の民の半数以上が命を落としてしまったのだ。
これはかつて空の民と戦った時以上の犠牲だった。
ただ、ジルとバグルの攻撃は地の民が地上に現れた時、矢や槍によって敵を苦しめることはあったものの、地の民の総力戦には太刀打ちできなかった。
ダウジングによって見つけた安全な場所も地面にひびが入り、穴が開いてしまった。
しかし、やはりミコのダウジングだけあって地盤は強固で、他の場所が地崩れした中でも、なんとか広場が残っていた。
卑弥呼は再び両手を広げ、太陽の光を集めて地の民の洞窟に射し込んだ。
しかし、地の民は太陽の光を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます