第24話 終結の条件

 卑弥呼は、火の民の支配者チヒラに呼びかけた。

「攻撃を止めなさい。火の根元は私たちが攻略しました。あなたたちもこれ以上犠牲を出してはいけません」と。

 しかし、チヒラはまさか火の根元を奪われたとは思わず、怒りに任せて攻撃をやめなかった。

 山の民もバグルとジルを中心に矢を放ち、戦った。

 しかし、山の民の力は火の民にはなかなか通じない。

 一方、ララは火の根元から火の水を持ち出すようにミユヒルやルイに伝えていた。

 そのとき、ミユヒルとルイが火の水を持ってやってきたのだ。

 火の源から取り出された黒い水の扱い方を、ララがミユヒルとルイに教えた。

 一方で、バグルとジルには、黒い水に矢の先端を浸し、火を付けるよう指示が与えられた。

 彼らは指示に従い、矢を火の元へと近づけた。

 そして、燃え盛る炎をまとった矢は、火の民へと放たれた。

 チヒラは、山の民たちが自分たちと同じ手法で戦っていることに、驚きを抱えた。

 彼らは巧妙な戦術を駆使し、川の民の水噴射装置を改良して、炎を噴き上げた。

 火の民たちは、恐るべき炎の勢いに慌てふためいてしまっていた。

 連続して襲いかかる新たな攻撃に対し、火の民は後退せざるを得ない状況になったのである。

 その時を見計らって、卑弥呼は再びチヒラに呼びかけた。

「火の根元は私たちが手に入れた。これ以上の戦いは犠牲者を増やすだけです。それに、もし戦いを続けるのならば私も最後の手段として、私、卑弥呼の力を全て出し尽くして火の民と戦います」と。

 チヒラは卑弥呼の言葉に少し冷静さを取り戻し、ララを呼んだ。

 ララに卑弥呼の力について尋ね、その凄さにチヒラも驚いた。

 しかし、チヒラは山の民に戦いを終結させるための条件を出した。

 まずは火の根元を火の民に返すこと、

 そしてルイをララと結婚させること、

 食料と水を定期的に分け与えることなどが条件だった。

 卑弥呼はミコ、ミユヒル、サコ、そしてルイを呼び出して話し合った。

 皆は大体の条件を受け入れて、戦いを終結させる方が良い、ということになった。

 やはり少しでも犠牲者が少ない方が良いし、また山の民も相当に疲れてきているからだ。

 しかし、1つの条件がなかなか決まらない。

 それはルイとララの結婚であった。

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