第21話 避けられぬ戦い
卑弥呼はミユヒルに火の民の弱点について尋ねた。
「私の知る限りでは、火の民にはほとんど弱点がありません。彼らは驚異的な力を持ち、不死身に近い存在です。しかし、一つだけ幸運なことがあります。まだ、ミコの存在やその力については、彼らには知られていないのです」
卑弥呼は、一瞬驚きを隠せなかった。ミコの情報が未だ明るみに出ていないということは、彼女にとっては幸運な出来事であることを理解していた。
そのころ、ヒコは山の民に力が出る食べ物を与え、戦闘の準備をさせた。
戦いの場所はダウジングによって川の近くが選ばれ、山の民はそこに陣を構えて、火の民との戦いに勝利するように、卑弥呼が祈りを捧げた。
とうとう火の民の攻撃が始まった。
火の矢や、丸めた草に火をつけたものなど、火の民は数々の攻撃を仕掛けてきた。
山の民は火を消すために必死だった。
サコの声によって、山の民は周りに動物たちを呼び寄せ、防御を固めようとした。
水に濡らした布を張り、火を防御した。
ジルとバグルは敵の背後から矢を放った。
しかし、火の民の攻撃は凄まじく、山の民は、川の近くまで退却せざるを得ない。
ミユヒルはミコに、このままでは山の民は全滅してしまう、何か方法はないのかと尋ねた。
ミコはレミルに食べ物を与えながら、
「私は卑弥呼様の使い人から外されたのだから、あまり口を挟むことはできないのです…」
と悲しい表情を浮かべた。
しかし、ミユヒルは
「今はそんなことを言っている場合ではない。お願いだ、ミコ、それはレミルを助けることにもなるんだ。ダウジングで調べてくれ」そう説得した。
火の民の攻撃は凄まじく、山の民は次々と倒れていく。
そして、川に黒い水をまき散らして火をつけた。
すると、川から炎が上がり、山の民の周りは火の海と化した。
ミユヒルとミコは戦いの場所に赤々と燃える炎を見て、とうとうミコは戦いの決断を下した。
まずは火を消すために海の民と川の民の力を借りることにした。
川の民の力で炎の上がる川に、石や砂を投げ込んだ。
海の民のチグの風を操る力で火の進む方向を変えることにした。
ミコは、ミユヒルに火の民の支配者であるチヒラの使い人ララを連れてきてほしいと頼んだ。
戦いを終結させるためには、火の民の中でも戦いを望まず、人の命を尊重しているララと話し合いたい、とミコは語った。
山の民は必死に戦っていた。
ジルとバグルは唯一の望みとして、火の民に攻撃を仕掛け、戦いを有利に進めていた。
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