第20話 救出作戦

 ミコは、ミユヒルを助けるためにダウジングを駆使した。

 彼女は洞窟の裏側から忍び寄り、ミユヒルを救い出すことにした。

 そして、ルイを連れてミユヒルの元へ向かった。


 一方、卑弥呼、バグル、ジル、ヒコ、サコは火の民との戦いの方法を話し合っていた。

 火の民が目覚めた時には、山の民は誰一人いなかった。

 火の民は何もすることができず、引き返すしかなかったのだ。


 ミコとルイはミユヒルを救うために火の民の元へ向かった。

 洞窟の裏側にたどり着いた2人は、中に入る唯一の場所に5人の火の民が松明たいまつを抱えて見張っていた。

 そこで、ルイはしびれの薬草を燃やし始めた。

 すると、見張りをしていた火の民たちの体が次第にしびれ始めた。

 やがて、彼らは完全に体の自由を失ってしまったのだ。


 それを見計らい、ミコとルイはミユヒルの元へ向かった。

 ミユヒルは体中、火傷やけどを負い、喉が渇いて衰弱すいじゃくしてしまっていた。

 2人は彼を肩に支え、なんとか洞窟から脱出することができたのである。


 そして、洞窟の前でしびれたまま倒れている火の民に対して、ミコは

「戦いをやめましょう。無駄な犠牲は避けまたほうが良いと。チヒラにそう伝えなさい」

 と言い残し、その場を立ち去った。

 ミコは、空の民との戦いでサジを失い、多くの犠牲を払ってようやく戦いが終わったことを思うと、火の民との闘いは避けられるなら避けたいと願っていた。

 しかし、ミコの望みもむなしく、チヒラは山の民を自分の支配下に置きたがっていたのだ。


 ミコはルイとともに救い出したミユヒルを山の民の卑弥呼のもとへ連れて行き、治療を行った。

 卑弥呼は安全な場所で戦略を練るために集まった。ミコはダウジングによって、最も勝利の可能性が高い場所でも、勝利は半々しかないことを知っていたが、そこ以外で戦う選択肢はなく、彼女はその場所で戦うことを主張した。


 ちょうどその時、怪我をしていたミユヒルが目を覚まし、卑弥呼たちの元へ駆けつけた。

 再び、火の民と山の民の闘いが始まろうとしていた。

 ミユヒルは火の民の情報を卑弥呼やミコ、ルイたちに伝える。

 しかし、ミユヒルの話を聞けば聞くほど、火の民の力の凄さが改めて理解されるばかりだった。

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