第19話 またもやミユヒルの窮地
しかし、その事実を知り得ていた火の民は、眠ることなく突き進むことができた。
同じくして、ミユヒルは火の民に捕らわれ、火あぶりにされようとしていた。
そのとき、火の民のチヒラの使いララが現れた。
彼女は言った。
「この男はミユヒルという山の民の優秀な戦士だ!彼はきっと人質として役に立つ。殺めてはならない。」
チヒラもそう思っていた。
そして、ミユヒルはとりあえず火あぶりにはされなかったのだ。
ミユヒルは暑い洞窟の中に閉じ込められていた。
見張りもおり、逃げ出すことは不可能に近いほど厳重な警備がなされていた。
チヒラはミユヒルを人質にとらえていることを、山の民のところへ伝えに行かせた。
卑弥呼は驚きながらもミコを呼び、ミユヒルが人質になったことで、助け出す方法を話し合った。
しかしその頃、火の民はルイの眠りの煙の薬をかいくぐり、山の民の村の近くまでやってきた。
山の民は全力で攻撃し、守りを固めたが、火の民には通用せず、手の打ちようがなかった。
山の民は火の民の攻撃を待つしかないのだろうか…。
そして、火の民が一斉に攻め寄ろうとしてきた時だ。
山の民が攻撃を受け始めたその時、ルイが卑弥呼の元へ帰ってきた。
彼は言った。
「大丈夫です、卑弥呼様!眠りの煙の薬は、火の民が息を止めて煙を回避したように見えますが、もう少しお待ちください。」
ルイがそう言った途端、火の民たちがバタバタと倒れ始めたのだ。
卑弥呼はルイに尋ねた。
「どういうわけなのだ?」
「実は眠りの煙の薬をサジから受け継いだ時に、少し改良し、煙が体についたら眠りの効果はたとえ煙を吸わなくても、体についた煙により少しずつ発揮されるのです。それゆえ、今になって火の民は眠りについたのです」とルイは語った。
卑弥呼は知らないうちにルイがサジ以上の力をつける努力をしていたことを知った。
一方、ミユヒルは暑い洞窟の中で苦しんでいた。
喉が渇き、体力を失っていた。
その頃、山の民は火の民が眠りについたことを確認し、ミコの指示に従って安全な場所に避難を始めた。
とりあえず、住み慣れた場所を後にし、また戻れることを祈りながら、村を去った。
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