第9話 川の民を倒す作戦

 脱出を困難にしていたミユヒルは、バグルとジルに導かれ、矢の刺さった木の場所へと辿たどり着いた。

 そこから彼らは川を渡り、卑弥呼の元へ帰ることができた。

 ミユヒルは内密に調査した川の民の地図や川の位置など、様々な情報を卑弥呼に伝えた。これによって、山の民たちは勝利を確信することができたのだった。

 ミユヒルの情報によれば、

 川の民の力の源は、幼少期から筋肉を養う食事を摂り、筋肉を鍛える運動を行うことで、矢を跳ね返すほどの強靭な体を手に入れていた。

 ただ戦ってもなかなか勝利することはできなかった。


 そのため、卑弥呼はミコとサコにミユヒルの情報を伝え、川の民を倒す作戦を立てた。

 それは、川に石を積み上げて水をせき止め、バグルが選んだ水に強い馬にジルを乗せ、矢の代わりに網を持たせて川の民を捕まえる作戦や、

水の届かない高い場所にいるチグが風の力を使い、アグが川から波を引き寄せて狭い場所で戦う、というものだった。

 この作戦には少しの犠牲と苦戦を伴うが、ついに山の民は川の民に対して勝利を収めることができたのだった。


 山の民の勝利により、川の民は山の水源を必要な分だけ分け与えられることとなった。

 同様に、山の民も川の民に一部の山の資源を分け与えることとなった。

 これにより、山の民、海の民、川の民は団結し、共に生きることを誓い合った。


 民たちは平和な時を楽しみ、喜び合っていた。

 サジは山で迷っていた子供を育て、その子も成長して大人たちと共に狩りなどの仕事をしていた。

 サジはその合間に、薬草や術の使い方を子供のルイに教えていた。

 しかし、平和な日々は空から舞い降りた空の民によって打ち砕かれたのだった。


 彼らは山の頂上に住み、空の力を身近に感じながら生活している民だった。

 竹とんぼのような乗り物に乗り、山の上から素早く降りてきて、石や槍を投げつけるのだ。

 彼らは高い知能を持ち、あらゆる武器や乗り物をあやつり、他の民たちの持ちものを奪い取るのだ。


 山の民たちは彼らの攻撃にさらされた。卑弥呼、ミコ、サコの不思議な力を試し、彼ら自身のものにしようとするために山の民の元に攻め寄せてきたのだった。

 卑弥呼は大きく手を空に掲げ、祈りを捧げた。

 一方、ミコは敵の空の民たちが降りてくる場所を探し、みんなに知らせた。



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