第7話 川の民の強さ

 戦いが始まった。

 チグはジルが放った矢を、風をあやつって敵の視界に入らない方向から飛ばし、敵を倒そうとした。

 しかし、川の民は何本の矢を体に受けても倒れなかった。

 サコの声に聞き入っているすきに、バグルの馬をあやつる力で川の民を攻撃したが、数多くの馬の攻撃にも川の民たちは動じなかった。


 アグは波を攻撃に利用して、川の民と戦おうとしたが、すべての攻撃は川の民の力がまさっていた。

 彼らの力強さが戦いの中で示されたのだった。


 川の民たちは、ありえないほどの力を備えていた。

 卑弥呼ですら、川の民たちの持つ力が予想以上だと感じていた。

 なかなか川の民との決着がつかず、日々は過ぎていった。

 山の民の湖の水源も乏しくなってきた。

 卑弥呼は海の民のもとへ、ミコとサコと共に向かった。

 海の民の支配者であるイワトカミと話し合い、嵐の力と地を荒らす力を使うことを決断した。


 ミコはダウジングの力を使い、地を揺らす場所を特定するために努力した。

 彼女は地の怒りが山の民と海の民におよばないようにするため、サコの声を活用する手段を見つけた。


 一方、チグは風をあやつる力を持ち、卑弥呼は雷を使って嵐を引き起こす方法を研究していた。二人は最大限の効果を発揮するため、嵐を巧みに利用する方法を探った。


 一方、アグは波を操る力を持ち、バグルとジルとミユヒルは戦う場所を確保するために川の中に道を作る戦略を考案した。

 彼らは慎重な訓練を重ねながら、戦闘に備えていた。


 短い月日のうちに、みんなは驚くべきスピードで力をつけていった。

 ついに訓練も終わり、ミコのダウジングによって戦いの日が決まった。

 みんなは川の民のもとへと向かった。

 ミコのダウジングは川の民の最も高い山を示し、そこへと導いた。


 卑弥呼は高い棒をかかげて山の先頭に立った。

 イワトカミは祈りをささげ、雷を導いた。

すると、間もなく晴れ渡っていた空がどんよりとした雲に覆われ、雷鳴らいめいとどろき渡った。

 大きな音と共に、卑弥呼の立てた棒は地面に激突し、砕け散った。

 これにより、一部の川の民は落ちた岩の犠牲となった。

 わずかな山の民の戦略が勝利を収めたのだ。

 しかし、その地響きはあまりの勢いで、山の民や海の民の領域まで迫ろうとしていた。

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