第6話 新たな水源

 ミコは卑弥呼からの依頼を受け、新しい水源を探し求めていた。

 海の民に山の民の湖の権利の1/3を与えたため、彼らは新たな水源を見つけなければならなくなったのだ。ミコはダウジングの力を駆使して水源を探した。

 彼女の助けにはミユヒルがつき、彼の軽やかさと俊敏さを生かし、山々を歩き回りながら水の匂いと気配を感じ取っていった。

 その結果、やがて山のふもとに近づいた時、ミコとミユヒルは水源の気配を感じ、共にダウジングを行い、水源を見つけることができた。


 ミコたちが見つけた水源は、卑弥呼率いる山の民の村から半日ほどの距離にあった。そこには大きな川が流れており、卑弥呼たちの湖をもしのぐほどの大きさを誇っていた。

 しかしその川のそばにはわずかな川の民たちが住んでいた。

 力強くたくましい彼らは、ミコたちの出現に驚いていた。

 ミコは申し出た。

「川の民たちだけなら有り余るはずです。 少し私たちの山の民に分けてほしい」と …しかし、川の民の支配者は彼らに分け与えるつもりはなく、もし水源が欲しいならば戦う覚悟があると告げた。

 ミコの説得に耳を貸さない川の民たちは、彼女とミユヒルを捕らえようとした。

 しかし、身軽で俊敏なミユヒルはミコを連れて、その場を脱出し、卑弥呼のもとに知らせることができた。

 ミコは卑弥呼の命令により、ジルとバグル、そしてミユヒルを連れて川の民のもとに向かった。

 ミコは水源の確保を願い出て叶わなければ戦いを引き受ける覚悟を心に誓い、話し合いを求めた。

 しかし、川の民は聞く耳を持たず、ミコたちに攻撃を仕掛け、完全な戦闘が始まった。

 彼らは力強い矢を放ち、重い石を投げ、鋭いやりで戦ってきたのだ。

 ジルの巧みな矢も彼らには及ばず、バグルの馬も巧みに操る余裕も与えない。川の民の力強さに圧倒されたミコは、戦闘の体勢を整えるために一度、卑弥呼のもとへ帰ることを仲間たちに伝えた。


 これが、今までにない苦戦を強いられた山の民たちの戦いの始まりだった。

 卑弥呼は川の民の力強さを熟知していた。

 普通に戦って勝てる相手ではないということを認識していた。

 そのため、卑弥呼は海の民の助けを求め、互いに協力し合うことにした。

 ミコはサコと共に、チグ、アグ、バグル、ジル、ミユヒルたちを連れ、川の民のもとへと向かった。

 卑弥呼の指示通り、ミコはダウジングによって戦いの場所を探し、ジルが矢を放つ場所を決めた。

 そして、チグの風を操る力によって矢の動きを撹乱し、サコの声で川の民たちの注意を引きつけ、バグルの馬の操る力を使って攻撃を行い、アグは川の波を操る力を活かして攻撃に利用する、という卑弥呼の指示に従った。

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