第4話 湖の権利

 そして、ミユヒルを人質にして、海の民たちは山の民たちのもとへ向かった。


 ミユヒルは意識を失ったまま、ただひたすらに薬のことだけを心配していた。

 海の民たちは、ミユヒルを連れて卑弥呼のもとへと辿り着いた。

 そこで、チグは卑弥呼に対して、湖の権利を海の民に譲ってほしいと求めた。

 しかし、ミコは湖が山の民たちにとって命をつなぐ源であると訴え、チグの要求に反対する。

 チグは、ミユヒルの命には変えられないのだから、湖の権利を譲ってもらわなければならないと話した。

 その時、卑弥呼が現れ、海の民たちに向かって、

「あなたたちは水の大切さを知っているはずだ。それはこの長い戦いの原因の一つである」と言った。

 そして、彼女は1つの条件を出した。

 湖の3分の1を海の民に譲り渡す代わりに、ミユヒルを引き渡して欲しいと。

 しかし、海の民たちはこの条件を受け入れず、卑弥呼の要求に反発した。

 それでも卑弥呼は、

「私の申し出に従わなければ、この世を闇の国にして、皆を滅ぼすだろう」

 と言い放った。

 しかし、疑いを持つ者たちもいた。


 すると、卑弥呼が太陽に手をかざし、祈りを捧げた。太陽が黒い影に包まれていき、海の民たちは驚愕した。彼らは、「やめるのだ、卑弥呼よ。あなたの申し出を受け入れよう」

 と言い、卑弥呼の力を感じたのだ。


 ミユヒルは無事に山の民のもとへと帰ることができた。

 卑弥呼は、湖の1/3の権利を海の民に与えた。

 それにより、ミコとミユヒルは結ばれたのである。

 卑弥呼の力が偶然の日食によるものなのか、それとも本当に彼女が力を持っていたのかは定かではない。

 しかし、湖の1/3の権利を与えられたことと、卑弥呼の目に見えぬ力に敬意を払い、海の民は山の民に万病の薬ダグを贈った。

 そして、ミコはその薬によって、長い病気の苦しみから解放された。

 ミコはダグを受け取ったことで、その力に驚嘆した。

 彼女はダグを手にした瞬間、身体中に力がみなぎり、病気が消え失せたのだ。

 この薬がある限り、どんな病気にも勝利することができると感じた。

 一方、海の民たちは、湖の権利を得たことに感謝し、卑弥呼の力に敬意を表した。

 彼らは自分たちの持つものを山の民と分かち合うことで、二つの民族の友好関係を築き上げようと努めた。

 そして、このようにして、長い間続いた海と山の民の争いは、互いの力を認め合い、和解することで終わりを迎えた。

 ミコとミユヒルは、この和平の象徴となり、二つの民族の架け橋となったのだ

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