第2話 湖を守る者

「湖を守る者」としてミユヒルは選ばれた。

 彼はジルとバグルと共に湖を守り続けることになった。

 3人は湖の指名責任者であるが、特にバグルは馬の扱いに長けていた。

 ミユヒルは身軽で足が速く、ジルは弓の名手であった。

 彼らは共に、湖を守るために力を合わせ、敵を追い払うために最善を尽くした。

 時には、厳しい状況に直面することもあったが、3人は常に冷静かつ勇敢であり、それぞれの得意分野を生かし、湖を守り続けた。


 敵は波と風の音に身を隠し、山の湖に忍び寄ってきた。

 山の民たちは気づかず、敵の奇襲を受け苦戦を強いられた。

 しかし、洞察力に優れ、敵の気配を感じ取ることができるミコだけが卑弥呼に敵の侵入を知らせることができた。

 だが、その時はもう敵が目の前まで迫っていた。


 ミコはサジの馬を守ろうとして矢を受け、危機に陥った。

 だが、サコの馬が現れ、ミコを乗せて湖へと運んだ。

 そこで、戦いの最中にも関わらず、ミユヒルがミコの手当を行った。

 だが、このことが後に山の民を危機に陥れることになった。


 持ち場を離れたミユヒルのところに、チグの使いが攻めてきた。

 敵は湖の1/3を制圧し、山の民たちは苦戦を強いられた。

 だが、ミユヒルとミコはバグルの元へたどり着き、ミコは命を救われた。


 ミコは湖の近くの小川で傷を癒していたが、矢の毒が体内に回り始めていた。

 サコは卑弥呼から授けられた薬をミコに与え、命を救った。

 しかし、戦いは終わらなかった。

卑弥呼はバグルに命じた。

 バグルの馬キヒュールにまたがり、山の馬達を操り海の民に攻め込むのだ。

 キヒュールの甲高い馬の叫びとともに、100頭以上の馬たちが山を駆け下り、海の民に向かって突進した。


 さすがのチグの使いたちも、馬たちの攻めにより慌てふためき、逃げ惑っていた。

 ジルが放った矢は、鋭く敵の頭上を雨のように降り注いだ。

 その効果により、海の民たちは少しの見張りを残し、立ち去った。

 しかし、この出来事は、ミユヒルの処罰とミコの身体の傷によって、山の民たちの心を悩ませることになるのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る