第2話 私の中の君
あの日以来、中指を立ててきた男の子の存在が気になり始めていた。思い切って4組にいる友達に名前を聞いて君のことを知ったのだった。君の名前は橘翔平で、私の姉と同じ歳のお姉ちゃんがいること。クラスの中ではとてもクールで人見知りで誰に対しても少し意地悪な人だということ。
家に帰ってから姉に「橘っていう女の子の同級生いる?」と聞いてみると「あー、いるよ。てか、同じクラスだけど。」と言われたのだった。そんな風に少しずつ君のことを知りたくなっていき、気が付いたら頭から離れなくなっていた。でもこれは、中指を立てられたことによる苛立ちの感情だと私は信じていた。
今思えば、「あーもう。なんなのあいつ。初対面の人にあんな態度、ほんとに最低!」そう思うようにすることで心の中にある恋心のようなものをかき消すようにしていたのかもしれない。
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