第8話 7人の死の使いたち。

暗くじめじめとしている死霊しりょうの森。

中心部に行くとそびえ立つ大岩。

地面からだとはるか大空を見上げて、その大空を隠してしまうほどに。

その大岩の前に

黒いローブを身に纏い、赤い髑髏どくろで、赤い大鎌を持つ死の使い。さらに同じ黒いローブで青い髑髏どくろ、青い大鎌を持つ死の使い。残り5人の黄色、紫、緑、黒、白い髑髏どくろと順に現れる。


ここ死霊しりょうの森の中心部である、大岩の前で姿を現す。


その7人の中心にはリズ・ブライアがいる。

両目をくり抜かれた金髪の魔女。

拒絶の悪魔ルキフグスと呼ばれた魔女がいる。


「よく集まってくれたわね、みんな」と、リズは跪いている7人に声をかける。「ひぃ」と、隣では修道女マリアンナが怯えている。ヨルは相変わらず聖書を食べている。

「「「「「「「御心のままに」」」」」」」

「マリアンナ、これで依頼は達成。ね、いいでしょ」

「わ、わ、私にも分かるように言ってください」

死霊しりょうの森のトップが全員わたしに従っているのは理解できたでしょ。わたしはヨルの奥様になったのだから、人間を滅ぼしたりはしないわ。侵略者には容赦しないけど。ただそうね。わたしの家族に牙を向く勢力に関しては死霊しりょうの森のみんなは喜んで動いてくれると思うの。そういうわけでまた新しい依頼を待っているわ、マリアンナ」

「わ、わかりました。死霊しりょうの森は安全と認めます。あなたが生きている限り。だ、だから早く教会へ連れて帰ってください」と、金髪の修道女マリアンナはわたしに抱き着いてくる。

「せっかちねぇ。わたしはもうちょっといたいかなぁ。せっかく元の姿に戻れたわけだし」と、わたしは両目が無いまま笑う。

「その姿で笑わないでぇ」と、マリアンナは目をつぶって泣いている。

「そうねぇ」と、わたしは髪を黒へ戻し、ヨルと同じ翡翠の目を造った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る