第4話

「どうせなら巫女さんの名前も決めない?これから先、名前がないのは流石に不便だと思うんだけど」


「私ですか、そうですね。どうしましょう、何か考えてもらえますか?」

 すげー雑、いや人のこと言えないか。


「じゃあ、ティナ、カタリナ、フローラで」


「ではカタリナでお願いします」


「わかった、カタリナ。これからよろしく」


「よろしくお願いします、アベルさん」


 あとは、何聞けばいいだろう。金か? 

「通貨のことも聞いていいかな?」 


「通貨はですね」


 通貨はルドというらしい、鉄貨、銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨、大白金貨があるとか。硬貨しかないのかな?


 あ、大事なこと聞くの忘れてた。  

「俺は魔法って使えるかな」


「魔法は属性によって得意、不得意ありますが誰でも使えるはずです。既に覚えてるなら意識すればわかるはずです。目を瞑って、意識すれば浮かんできます」


 目を瞑って意識すれば?んー、魔法、魔法、魔法。駄目みたいですね。


「使えないみたいだな、魔法はどうすれば覚えられるのかな」


「覚えるなら魔法金貨ですね」


「魔法金貨?」


「教会の祭壇で捧げものをすると、稀に神から授かる特殊な金貨です。捧げものの価値が高いほど授かりやすいらしいのですが、鉄貨1枚で授かった者もいれば、大白金貨を捧げても授からないこともあるそうです」


 運ゲーなのか?いや、ここがゲーム的な攻略部分か?色々試してみたいな。

 

「金貨によってどんな魔法が覚えられる?」

 

「そうですね、魔法以外もあるのですが。説明しきれないほどあります、水や風を操ったり、草や花を成長させたり、治癒もありますね。伝説には若返ったりなんてのも」


「魔法以外ってのはどんなものが?」


「こちらも説明しきれないほどあるのですが、力が強くなる、目がよくなる、怪我がすぐ治る、そういった単純なものから、剣の扱いが上手くなる、炎が口から出せるようになる、マジックアイテムの詳細がわかる、こちらも本当に様々です」


 金とか銀とか捧げてたらそのうち無くなるんじゃないかと聞いたら、魔物が落とすらしい。

 魔に堕ちた者を倒すと即座に魔力になるとか。その時に貨幣が落ちたり、アイテムがたまに残るとか。うーん、ゲームっすね。

 

 貨幣自体、神が作ったものを使用しているんだとか。

 この世界、神と天使にコントロールされすぎじゃない?

 

 聞くことはこんなもんか?

 体は疲れないが説明ばかりだと気分的にね。


「とりあえずこんなもので大丈夫かな、急につめこみすぎもアレだし」

 すでに詰め込みすぎな気がするが。


「すみません、すこし、私からもいいですか?」


「あ、はい、どうぞ」


「他言無用ですが、神の巫女は蘇生できるんです。ですので、もしアベルさんが死亡したら蘇生をしたいと私は思ってるのですが」


「蘇生!そんなことまで出来るんだ」


「はい、ただ蘇生は許可がないと普通は使いません。おつげ等があれば神様や天使様からの奇跡として行使されます。天使様よりお世話を任されましたのでアベルさんがよろしければ」


「そっか、まあ断る理由は無いよな。でも死ぬ可能性あるならパーティーとか組まないほうが良いのか?」


「はい、そうですね、出来れば一人の方が、その、でないと……」

 

 お、ヤンデレルートか?違うか。


「死体の回収はどうするの?」


「死体の回収については、マジックアイテムで回収できます」

 ご都合主義が加速していく。


「なるほどね、まだ気になることもあるけど、とりあえずは分かった」


「はい、休憩されますか?」


「いや、申し訳ないんだけど、お金貸してほしいです」


「わかりました、武器や防具ですよね、結構必要なはずですけど、どれくらい必要なのか……」

 いや、とりあえず服、主にパンツを買いたいかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る