Lesson 7 エンカ! たわしと女の子

041 「休日のエオンは人多いよね」

 (済) 魔女同士でけんか


 (済) 近所の狂犬を吠え止むまで睨みつける


 (済) ワンドの作成


 (済) 基礎四大魔法の習得


 (済) 創業三十年! インドカリー ダルダルで食事


 ( ) 人助け(魔法を使用すること)


 ( ) 使い魔の召喚


 ( ) ダルダルでテイクアウト(ナン)


 ( ) 狂犬の鼻先でナンを食べる(よく噛むこと)


 ( ) 使い魔vs狂犬


 ( ) 使い魔vsそこそこ強い魔物






 だいぶ貯まってきた魔女修行スタンプカード。

 アケノとケンカして、Mk.5を手なずけて、高尾山へ行って、水あそびの魔法に手こずってアケノにアドバイスもらって、変なカレー屋さんでアケノがトリップして――――。


 ――最近濃いなぁ……てかアケノめっちゃ関わってるな!

 

 最初はムカつくやつだったけど、なんだかんだ悪い子じゃないことはわかったつもり。

 魔法関係の知識もあって、ここぞという時は真面目で、正直彼女に対する印象はずいぶんと良くなった。

 

 ただ根底に私への好意、それも危ない感じのやつがあるっていうのが不気味だけど……あと単純にうっとおしい。

 テンションが高すぎて、一緒にいると疲れるのだ。アケノには残念だけど、相性はあまり良くないと言わざるを得ない。そもそも私の恋愛対象は男の子だし。


 でも? ナオが相手なら話は別!

 タイプなんだよね、顔が――それに優しいし!

 結婚するかどうか選べって言われたら、多分一年くらいは悩むと思う。

 幸い令和は多様性の時代、男女どっちを選んでも大丈夫だし!


 ――待って、私ナオといても疲れるかも……。

 だってどきどきするし? 顔がめっちゃかっこいいし。

 ずっと一緒は心臓が持たない。


 え、ということはナオとの相性も良くないってこと……? やだどうしよう!? それはちょっと……。


「…………って。今考えてもしょうがないっ」

 

 友達に思いを馳せるのは一旦止め!

 私はスタンプカードをポケットに戻す。

 

 次なる修行は魔法を使った人助け。

 そのためにここへやってきた。


「やっぱり休日のエオンは人多いよね!」


 紫色の看板が目立つ大型商業施設、エオンモール。

 人助けするならたくさん人がいるところに行けば、困ってる人も見つけやすいはず。そんなふうに考えて選んだ場所。

 

 ……まぁノートとシャー芯も買わなきゃだったし、そのついでではあるけど。


 駐車場に入る車の列を飛び越えて、駐輪場に箒を降ろす。

 すみっこのポールに立てかけて、持ってきたチェーンでぐるぐる巻きにしておく。

 多分盗む人なんていないと思うけど、念のため。


「では行きま――――――は……???」


 入口に向かおうとした足が止まる。

 見たものを理解できずにフリーズする頭。

 

 たまたま目の前を横切った銀髪の女の子、その手に握られたリードの先には。

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