7.そして王妃に
7-1話 そして王妃に
「ご卒業おめでとうございます。在校生を代表し、心よりお祝い申し上げます。……」
今日は、王立魔法学園の卒業式です。
壇上で、1年生なのに、特別扱いで、第三王子カール様と、辺境伯の孫娘ティファニー嬢が、送辞を読み上げました。
二人は、近いうちに、婚約が公表される予定になっています。
卒業生代表として、バート王太子と婚約者の私が受け取ります。
「……素晴らしい人材を育成していかれることをお祈りして、答辞とさせていただきます」
「卒業生代表、バート・ホワイト」
「フラン・グリーン」
私たち二人で、答辞を述べます。
突然、バート王太子が、私を抱き寄せます。
ホホに、軽く口づけしました。
「「キャー」」
卒業式の会場が揺れました。
ダメでしょ、こんな場で!
うれしいですけど。
◇
今日は、私たちの結婚式、そしてバート王太子の戴冠式です。
王妃が怒って、浮気した国王を引退させたため、急遽、結婚式と戴冠式が一緒に執り行われました。
隣国の王妃は、残念ながら、国務のため欠席です。
あの事件後も話ができませんでしたので、いつかゆっくりと話をしてみたいです。
私の左手の薬指には、結婚指輪と、一部の人だけが見える“王家の指輪”が輝いています。
王宮のバルコニーに、国王バート様と二人で立ち、大勢の国民から、祝福を受けます。
この2年、色々なことがありましたが、今は感無量です。
青空に浮かぶ白い雲も、私たちを祝福しているようです。
そういえば、あの白い雲は、私にしか見えていないようです。
突然、国王バート様が、私を抱き寄せます。
私の口に、激しく口づけしました。
「「キャー」」
歓声で、王宮が揺れました。
平民だった私は、愛する人と結ばれて、しかも王妃になりました。
多くの方々のおかげで、とても幸せになることができました。
平民だった私ですが、王妃になったので、自分の夢を実現させることを、ここで宣言します。
「私は、みんなが、美味しい弁当を食べれる、そんな国にします!」
青空に浮かぶ白い雲が、笑っています。
━━ fin ━━
あとがき
最後まで読んでいただきありがとうございました。
よろしければ、★★★などを頂けると嬉しいです。
平民ですが、王妃になって、みんなに美味しいお弁当を配ります! 甘い秋空 @Amai-Akisora
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