キャットキャトル・ミューティレーション
特ルリ
「キャットキャトル・ミューティレーション」
ーそいつは、家に帰ってくると目の前にいた。
「……んにゃう」
猫だ。
ただし、羽毛状のくるくるとした毛並みを持ち、羽根で浮いていて背中にコブがある猫だ。
「……誰?!」
思わずそう言葉が溢れたわたしに珍生物は部屋の中を指さす、いやにくきゅう指す。
出かける前に乱雑に服を漁った押し入れは綺麗に片付き、いずれ整理をやると後回しにしていた本棚も基準は謎だが綺麗に並び替えられている。
「にゃふ くるる」
「……えっと」
鳴き声と共に、猫らしきものはわたしに何かを渡す。
手元に収まるサイズの小さな石板には、猫の手が描かれており。
その下には猫のような生物とわたしの口から言葉のようななにかが出ており、それが結び目になっている様子が描かれている。
「ふあ、にゃ、にゃーん」
……そして、尻尾で外へと、仕事を終えやっと帰ってきた闇夜の中へとその生物は手招きした。
ー黒の中に見えるのは、無数の猫の目。
宝石のような、青の青。
そしてその先に見える、金の円盤。
「あー……わかったじゃあ行くね」
仕事に出かける前に、わたしが言ったことを思い出す。
確かに言ったのだ。
「あーあ、忙しいし猫の手も借りたいわー」
と。
ーこの後、宇宙を冒険する不思議な猫と人間の物語があるのだが。
ーわたしは彼女らとの契約により、すばらしきその内容を話すわけにはいかない。
キャットキャトル・ミューティレーション 特ルリ @rurilight
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