第4話 ケンジの回

 12月30日南海一中学校頂上決戦、中学校から北に五キロのところにある国が管理する河川敷そこで俺はタイマンすることになった。お互い中学無敗のタイトルマッチ。正直、ケンジが何の使い手なのかなんて知らないし、興味もなかったけどまさかこういう事になるとは。楽にわざと負けるのも一興かと思ったが、相手に失礼だろ。とその時の俺は思った。今まで挑んできたやつの無念、しょうもない理由もあったがそれを背負いながら戦ってやろうと俺はおもった。勝負は勝負だ負けるつもりはねえという気に自分を持っていき、河川敷にたどり着く。予定時刻より早く俺はついたが先にケンジと取り巻き連中の方が先にきて待っててくれてたらしい。時刻は13時スタート、時間無制限勝負、合図は取り巻きの1人の赤いキャップを被ったやつが自分が帽子を投げて落ちたらスタートだと言った。時間まであと4分くらいある。俺は、今日汚れてもいいようにお気に入りから三番手くらいのジャージとスポーツシューズを選んできた。腕や足の腱を伸ばす。今日はいやに寒かった。曇天の中、朝からぱらつき始めているせいで俺たちの戦う場所も雪と土が入り混じって見える。今朝のニュースじゃ雪は強くなるとか言っていたなと思い出しながら運動していた。相手のケンジを見ると意外にもドンキーで買ったであろうジャージとナイーキのスポーツシューズを着ていた。イケメンは何着てもイケメンだなって改めて思った。そのまま広告塔にでもなれんじゃね?って思えるくらいに様になっていた。

 どうやら約束の時間が来たようだ13時さぁ勝負の時間だ。

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