舌先三寸に覚えあり 〜おヌル様は異界人。美味しいお菓子のプロ技キラめく甘々生活

蜂蜜ひみつ

ヌルっとスタート編

第1話 男たち虹色の湖を目撃す

 フィオン! フィオン! フィオン! フィオン! フィオン! フィオン! フィオン!


 昨夜遅くまでしこたま酒をかっくらった寝不足の頭に、不安を煽るようなけたたましい警告音が鳴り響く。


 ま、まさか……


 枕元の電源を押すと、暗い色の壁面と屋根が瞬時にクリアな状態になって、眩しい朝の光に部屋が包まれる。


 透明な壁面外、眼下に見えるいつもなら白銀の煌めきをたたえる湖が、一面虹色に染まっていた。


 おヌル様が地球から招かれた!!!


 虹はどっちの方向に立ち上がってる?!


 寝台から慌てて跳ね起き、子供の時の遊び以来使わなくなっていた出動棒に飛びついて階下へ降りる。


 っつ、痛っ!


 赤くなった手のひらを握り

「エタン! 起きてるか!?」

アイツの部屋へ向かおうとしつつ叫ぶと、反対のほうから返事が聞こえた。


「おうよ! ばっちり目が覚めてるぜ。お先に使わせてもらう」


 あ、トイレ……


「おい! 早く出て替われよ!」


「しゃあないじゃん。昨日凄え呑んだんだからさ。満杯だから空にするのにちょい時間かかるってなもんよ」


 くっそ! 出遅れた。

 気が急くが、言われてみれば僕も同様だ。

 今のうちに救護袋を用意しなくては。


 袋を玄関口に置きトイレのほうに戻ると。


「じゃあな、クレール! お先に行くぜ!」

起きたまんまのランニングと短パン姿で、床に脱ぎ捨ててあったチュニックを引っ掴んでエタンがすっ飛んで行った。


 僕も急がねば!!!


「おヌル様! どうか無事でいて……」


 トイレを終え、おヌル様の安否を祈りつつ、もどかしくも手を洗い。

 慌てて寝巻きのまま僕も外に飛び出した。






【次回予告 第2話 深夜の工場】



‎ 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣

ようこそお越しくださいました。

主人公じゃないところからのスタートです。

「こいつら誰だい?」

「主人公はどこ?」

はい! 疑問に回を追ってお答えしていきます。さあ共に参りましょう!


お時間のないお方はよろしければフォローを押していただいて、また後日お会いできれば幸いです。

これからもどうぞよろしくお願いします(*´꒳`*)

https://kakuyomu.jp/works/16817330657176740967#reviews

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