第6話 電気製品の安全性の話②の1

~~~ 安全性が確保されているかどうかわからない電気製品の話 

    第2話 電気用品安全法の話1 ~~~


リチウムイオン充電池の話の最中に出た電気用品安全法の話がかなり中途半端な感じになってしまったので、この場で少しフォローさせていただこうと思います。

基本的にこのコラムは私の私見に基づいて記述していますので、かなり偏った素人判断な部分もそれなりにある物になりそうな気がしますが、簡単にネットでチェックできる程度ですが、幾ばくかの客観的な事実もはめこんで話をさせて行こうと思いますので、査読いただけるとありがたいデス。


そもそも、電気用品安全法と言う法律が成立したのは、平成13年(2001年)4月の事です。

今が2024年ですから今から役23年前になる訳で、この年の部分だけで考えると、法律として結構新しい部類に入るもの、かなり新しい法律と言う気がしますよね。何せ、わずか二十数年前に出来たものなわけですから…

実は、この辺の部分を突き詰めて行くと、それ以前は国内を流通する電気製品への規制は無かったのか?と言う疑問に行きつくんじゃないかと思いますが、この法律以前、昭和期の後半と平成13年3月までの期間は電気用品取締法と言う法律があって、色々規制をしてきた様です。

(それ以前は法では無かった様ですが、何かあったらしい。)


時代的には、戦後(昭和20年代)を乗り越えて高度成長期と呼ばれた、ただの敗戦国が世界の2流半位にかろうじて引っかかる程度に急成長した時代を、かつて世界に誇ったらしい日本製品、Made in Japanを支えて来た法律だった様なんですが、時代の流れに合わせて模様替えした様で、それが電気用品安全法と言う法律になった様です。


それまでは、取締法と言う厳つい名前の法律で、がっつり?規制を行って来た様なんですが、時代の流れに合わせて、法の第1条を『…民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止する…』と変えた事で、規制が弱化した様なんですよね。


同じ様な法律があるなら、そんな事無いんじゃない?と思うかもしれませんが、法律と言うものは、最も重要な憲法をトップに、色々な目的で設定されるもので、その中で最も重要な設定目的を示す第1条で『…民間事業者の自主的な活動を促進することにより…』と宣言している以上、あまり強権的な事は出来ない建前になるはずなんですよ。


まぁ、当時の話を聞くと、この法律を変更する事が検討された時代では、結構民のやる気が強かったと言うか、天下り問題を含めた諸々の官のだらしなさが露呈した時代だった様で、このままじゃダメだ。民と官の力を合わせて、国を良くして行こう、と言う感じのムーブメントがあったとか無かったとか…


そう言えば、この時代でしたっけ?「 聖域なき構造改革 」を掲げて公益法人制度改革を断行したのって?

実際には、ばっちり「 聖域残しまくりの構造改革 」だった気がするんですが…、まぁ、この話は今回の本題とは関係ないので置いておく事にします。



とりあえず、そんな流れの中で、PL法(製造物責任法)なんて法律も出来たりして、形として消費者保護の体裁だけは整った様なんだけど、まぁ、何だ…

いささかならず、残念な法律だよね、これも…。

本題とは関係ないので、深くは追及しないけど…ね。


で、本題に戻ると、法が『…民間事業者の自主的な活動を促進することにより…』と定めている以上、それ以前よりきつくなる様な規制は出来ない建前が成立する訳だ。

実際には、その後の社会情勢と言うか、生活習慣の変化によって、特定の製品で事故が多発したりした場合に、その特定部分にだけ対応する様に法の強化をしていたようなんだけど、基本的には、規制を強める方向へのシフトが難しい法律になったみたいなんだよね。


因みに、法の強化があったのは、家庭用に使われ出したシュレッダーで、子供が指をツめる事件が多発した時に、子供の指ツめ対策を導入した件とか、畳の上に置かれた電気ケトルに足なんかをひっかけて沸いたお湯をかぶる事件が多発した時に、倒れてもさほどこぼれない様にする対策を導入した件とか、リチウムイオン充電池を規制の対象にしたり、モバイルバッテリーをその中に入れたりした部分なんかがそれに相当しそう。


ただ、法律を取締法から安全法に変えた時点で、かなり大幅な規制の緩和が行われたみたいで、役所は認めないかも知れないけど、それを輔弼する目的でSマークと呼ばれる第3者認証制度と言う、役所でも製造者でも無い第3者が製品の安全性を保証する制度を、官民の後ろ盾で立ち上げたみたいなんだよね。


本来は、某安全法がタッチし難い部分をその制度をうまく利用して輔弼させて行く予定だったみたいなんだけど…

喉元過ぎれば何とやら…、と言う感じでこの辺がうまく行っていないみたい。


その後、ネットの急激な普及と生活習慣の変化に法の対応が全く追いつかない状況になって、日本の国民性を合わさって、第3者認証制度の普及の遅れても後押しする感じで、理想と現実がどんどん乖離していくと言う状況になっているみたいでね。


今の禄でも無い状況が出来上がっていると言う訳だ。


もう少し詳しく話と、法が成立した当時、電気製品の流通は、そのほとんどを、国内で製品を作っている製造業者と、海外から製品を輸入してくる輸入業者が担っていたんだよね。

例外的に、少数の人が直接海外と連絡をとって私的に製品を輸入して、私的に利用していた様だけど、そもそも私的利用が目的で販売・流通する様なものではなかった要で、通関手続きなんかも面倒だった様で、その数は極々少なかった様なんだ。


だから法は、この国内製造業者と、海外輸入業者を規制する事で、国内を流通するほとんどの製品を規制する事が出来た。


sそんな理由もあって、この部分は、法の規制の対象の外に置かれた様なんだよね。


だけど、昨今の生活習慣の変動、特にネット環境の普及と大幅な進歩の影響で、多くの一般人が直接海外と繋がる事が出来る様になった。

その上、ネット上でも通販が出来る様になって、海外の業者がそれぞれの国にあるネットプラットフォームなんかを利用して、それぞれの国の人達と直接取引できる様になっていった。


本来、極々少数だろうと言う判断で、法で規制を行って来なかった部分が急激に増えてしまった訳だ。たからと言って、その部分に今更規制を行えるのか、と言うと、どうもそう言う物ではないらしい。

法の目的が、『…民間事業者の自主的な活動を促進することにより…』とある以上、自浄作用を期待した対応をする必要があるという事もありそうだし、従来から認めてきた既得権益をはく奪できるか、と言う話もありそうだよね。


で、現時点でも正式にこの部分を取り締まりのメスを入れる事が出来ない状況にある、と言う訳だ。


その結果、話①でつついた火事の原因になるヤバい電気製品がガンガン流通している(らしい)と言う状況が発生している訳だ。


しかも、その状況を法的に問題無いからと言って、大手のネットプラットフォーマーも黙認しているらしい。

下記URLの記事(の裁判の判例)を見る限り、自分の所の責任だとは考えていないらしい事が読み取れそう。

https://www.sankei.com/article/20220508-WXMOX63FRFIC7NGNFRHKH6LSRM/


まぁ、この辺の事に本格的に対応するにはかなりの金がかかるみたいだからね。

自分の所の懐が痛む以上、「うちでも全く対応していない訳ではないんですよ。」と言える程度のアリバイ作り的なお金は兎も角、それを超える様な大きなアクションに必要な動きを行う事は期待できないかな、と言う所が現状みたいだ。


米国なんかでは、同種の裁判で消費者勝訴の判例が多数出ているとも聞くけど、そもそも、国が違えばお国柄も法律も違う訳で、現行の日本の法の下では、消費者勝訴は期待薄と言わざるをえない感じなんだよね。


某知り合いは、PL法や消費者保護法の事を残念法と呼んでるくらいだし。

なんでも、本来確りしておくべきところを、努力義務(≒実質やる必要なし)にしてしまったらしくて、実効力が期待できない、と言ってたかな。


だからこそ、ネットで買い物をする人は、高度な情報リテラシーが要求される、と言う話になるんだけど…、どんなもんなんだろうね。

この種の話は、基本的に自分の住んでいるエリア(国)がそれだけ、基礎的な教育段階で、キチンとした情報を出しているかどうかが問題になりそうなんだけど…

文科省さん、あんたらちゃんとやってる?


聞いている範囲では大分、その手の教育は温いみたいな気がするけど?

今の教育制度だと、この手の話にちゃんと時間をとってるのかな?

とっているとしたら、それはどの位の時間を割いてるの?

社会科の時間?

それとも家庭科?

若しくは、生活科?


そこでちゃんとした教育(注意喚起)をして欲しいよね。


今、日本国内を流通している電気製品って安全性に関して結構怪しいものが多い可能性があるんだけど…、あなたの家庭で使われている電気製品は、大丈夫?

ちゃんと安全(そう)なものを使っている?

せめて、製品の銘版中に、マルPSEマークかひし形PSEマークがついているよね?

前回のコラムでも書いたけど、マークの近くに事業者を示す表示はある?

ついでに、製品の定格情報の記載はある?

可能なら、その製品の安全性を検査した検査機関のマークも見たいよね。


何せ、大手プラットフォームのマーケットプレースを経由して購入できる製品って、かなり怪しいのよ。

実際の体験を踏まえて書かせてもらえば、(個別の企業名だ出さないけど)、某●✕ゾンで買ったものにも、某▲▼市場で買ったものにも、マイナーな業者の製品には、結構な確率で真面に法定マークどころか、何の安全マークも付いていない物も多いからね。


その中には、明らかに、国際郵便等で無く、普通に某宅配業者経由で国内から発送されてくる製品もあるからね。


現状で、ネット通販の世界は、法の遵守性がかなり緩いと言うか、真面に運用されていない(もちろん、真面目に運用している業者も多いけど)可能性がかなりある事を注意していただきたい、それが自分の命を守る第一歩なんだと理解していけたらと思います。


(すいません。最後の方は実体験を思い返して、かなり熱くなってしまいました。暫くして冷静になってから読み返して、この文章は削除するか大幅改定するかもしれません。あらかじめご了承ください。なお、この話は②の1としていますが、連続した話としては続きません。)


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