第3話:エンジェルカラーはパールピンク。

守護天使・・・彼女の名前はアリエラ・・・。


「素敵な名前だね・・・これからもよろしくねアリエラ」


「はい、よろしくね、翔太郎」


「それにしても、上から下までオールピンクだね」


「私のエンジェルカラーはパールピンクなんです」


「え、えんじぇるからあ?・・・なにそれ?」


「どの守護天使にも色があるんです、レッドとかオレンジとか・・・

私はパールピンクです」

「所属してる部署や身分によって色が使い分けられているんですよ」


「パールピンク? その色って薄いピンクのことだよね・・・」

「で?、ピンクって、どのくらいの身分?」


「それは・・・まだ守護天使としての経験が浅いっていうか・・・」


「あ〜新米の天使って訳なんだ」


「だからってバカにしないでくださいね」


「誰でも、新米の時があるからね、別に気にしないよ」

「ふ~ん、それで?髪の色も服もピンク、羽もピンクなんだ・・・」


「ね、ちなみに黒い天使とかってのもいるの?」


「いますよ、地獄に落とされた天使がそうです・・・」

「一般的には堕天使って呼ばれています・・・悪魔になった天使のことです」


「あ〜それは知ってる・・・ルシファーの話は有名だよね」


「それから、これは大事なことですから覚えておいてくださいね」


「私は時々、現状報告に天国へ帰る時がありますから」

「私があなたの前にいない時があります、もし緊急で私が必要なら

呪文を教えますから、その言葉を唱えてください」


「言いますよ、覚えておいてくださいね」


《アノル・ヘルパス・ゴルド・ネイモス》


と呪文を唱えてくだされば、どこにいても私は現れますから・・・ 」


《我を助けよ、神の名のもとに》・・・という意味です」


「え〜なになに? もう一度言って?」


《アノル・ヘルパス・ゴルド・ネイモス!!》


「覚えておいたほうがいいですよ」


「呪文?・・・忘れるといけないからメモしとこ・・・」

「分かった・・・とにかく、なにかあったら呪文唱えるから・・・改めて

よろしくね、アリエラ」


「はい、翔太郎・・・私、一生あなたを守っていきます」


世界は広い・・・だから他にも天使が見えるって人がいるかもしれないけど

今のところ守護天使が見えるのは翔太郎しかいないということだろう。

宝くじで3億円当たるよりも貴重な体験だった。


でも、ふつう「守護天使」って海外の伝承だろう?。

日本人の翔太郎に守護天使っておかしくないか?。


日本人なら「ざしきわらし」とか、妖怪だったり、背後霊とか・・・

いでたちも着物着てたりとか・・・そういうのじゃないのか?


ところが翔太郎の祖父はアメリカ人で祖母は日本人。

父は日本人で母はハーフ。

だから翔太郎はクォーターになるわけで、祖父の代からクリスチャン。


「守護天使」の流れは、どうも祖父からから受け継いだものらしい。


そういうわけで、翔太郎は自分の心の整理が、つかないまま、

守護天使「アリエラ」との生活がはじまった。


つづく。

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