第11話◆2.5次元俳優、色々拾う5
さて、とりあえずメニューは有名スープ缶によるコーンスープを3缶分作る。
2㎝ほどの厚さ切ったパンをグリル台にのせて焼き目を付ける。
その間に生ハム原木から薄切りハムを20枚ほどそぎ、器に盛る。
ミルクパンに白ワインを入れてチーズを刻む。
このチーズ、よく見たらチェダーやゴーダ、ブルー、エメンタール、プロセスなんか適当に数種類入ってた。
大きさもあのよく見る丸い奴そのまんま。
なので切りやすいように何種類か4分割して入れておいたんだよね。
それを適当配合でワインと共に溶かしていけばチーズフォンデュの出来上がり。
あとは蒸し器もあったんで、芋やら根菜を蒸していく。
準備が整ったあたりでフォゼスさんが戻ってきていたのに気が付いた。
「あれ?おかえりなさい」
「只今戻りましたラナン様。あの……これは……」
「えーと、うちの故郷の企業努力の結果です!」
「そ、そうですか……。かしこまりました」
フォゼスさんは折り畳みテーブルセットで、先に出したインスタントコーヒーにミルクと砂糖を入れた物を飲みつつ呆けているシノの前に座った。
その席に俺は何も入れてない珈琲と牛乳をだす。
「苦いのでシノ君とメテオラさんには牛乳と砂糖をいれてあります。フォゼスさんは一口飲んで好みでお好きに入れてください」
「は、はい……」
ついでにとクッキーも出そうかと思ったけれど、ご飯がさきだろう。
「できましたよ。お好みでこっちの鍋からとろけたチーズを掛けて食べてくださいね」
メテオラさんにお願いして人数分運ぶのを手伝ってもらう。
メテオラさんは始終、すごい、おいしそう、とぶつぶつ言いながら運んでくれた。
いや、簡単料理ですよ???
「パンはいくらでも焼けばありますし、焼かないのも用意してます。ジャムとバターはこちら。スープも人数分ありますがお替りも可能です。あとは蒸した野菜、生ハム。調味料はこの辺のをお好きにどうぞ」
と調味料は塩、胡椒、マヨネーズを取り出した。
「塩に胡椒……」
「このクリームみたいなのはなんでしょうか?」
「ではまぁ、頂きます!」
「いただきます……」
俺はまず、焼いたパンにバターを塗り、ジャムをたっぷりかけた。
一枚目はシンプルにこれだよなー。
バクバク食べていたらシノ君が決心したように、同じようにバターをジャムを塗り始めた。
ジャムはイチゴで大瓶なので使いたい放題だ。
「!おいしいです!」
「ほんとに……」
「いやはや、パンだけでも美味しいとは……それに、柔らかで香りもいいですな……」
三者三葉に一枚目をぺろりと食べ終え、二枚目は焼いてないパンに生ハムと溶けたチーズをのせた。
「「「!!!!」」」
それを見た3人は同じように作り、美味しい、おいしいと言いながら食べ進めた。
メテオラさんはメイドという立場から遠慮がちに具材を載せていたが、俺がたっぶりとチーズをかけると、笑顔で頬張っていた。
あっという間に出した食材は全て全員の胃の中に納まり、追加で出したクッキー缶と紅茶で一息ついた。
そして、フォゼスさんが報告としてシノ君に告げた。
「先ほどの報告ですが、シノ様のおっしゃる通り、本店から迎えの者が来るようです。一旦第三王都シイラにある支店に報告後、手配した宿で体を休めて欲しいとのことです」
「わかったよ。ラナン様の事は?」
「ご報告しております。旦那様もあってお礼が言いたいとのことで、第三王都まで来るようです」
「そうだね。ラナン様、父が直接お礼を言いたいそうなのでお付き合いして頂けますか?」
「いいよ。状況報告とか必要だろうし」
「ありがとうございます。お願いします」
こうして、食事もすんで胃も落ち着いた頃、シノ君がうとうとし始めたので全員天幕で休むことになった。
え?メテオラさんと一緒でいいのかって?
劇団やってると男女区別なくそこらで雑魚寝とか当たり前だったんで大丈夫ですよ。
メテオラさんも一人だけ別場所で、とかわがまま言わないので、シノ君についてくるってあたりで割り切っているんだろうな。
とりあえず、テント内上部で紐を十字に結び、そこに大判のタオルを何枚か下げて仕切りを作ってあげた。
一応、気遣いは出来た……はず。
全員にはテントについてたエアマットとウルトラダウン掛け布団、毛布とエア枕を渡した。
結界灯は弱くして俺たちは眠りについた。
◆◇◆◇◆
真夜中、ぴょん音に起こされたのでテントから出て【イベントリ】から作りたてコーヒーを取り出してマグカップに注ぐ。
流石に夜中だから少し肌寒い。
結界灯を明るくしてクッキー缶を取り出すと、俺は音の招待を確認した。
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やはり、何もしなくてもこの世界で死ぬまで生きれるんじゃないだろうか??
しかしハムやベーコンは有難い。
明日の朝食は決まったな!
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