第5話◆2.5次元俳優、色々ゲットする4
「ステータス画面とスキル画面と装備画面、と……」
遅い昼食を済ませた羅楠は、なるべく見たくはないなぁと思いつつも、現状把握はしておかねばと自分を奮い立たせ、画面を開いた。
装備画面はそのまま装備一覧が表示されていた。
羅楠だろう男性のシルエットが中央に立ち、その横に頭上部装備、頭中部アクセサリ×2,顔装備、首アクセサリ、服上、服下、鎧上、鎧下、腕左右、腕アクセサリ×2、靴、背面、マント、といった項目が細かにあった。
「フルセット装備したら重そうだな。あと背面?翼とかつけれるのかな」
たしかそんな装備がゲームであり、空を飛んでこなすイベントとかあったはず、と考え込んだ。
「あ、アクセサリあったっけ」
イベントリを見ると『伝説の高級アクセサリ×20(ランダム取得)』なるものが20個あった。
これもダブルクリックで開ける奴だな、と直感した羅楠はぽぽぽぽぽん!と連続でタップしてすべてを開いた。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
神話級天司族の翼×1
神話級魔族の翼×1
全状態異常無効黒マスク×1
伝説級魔力増幅の腕輪×1
伝説級身代わりのお守り×1
全自動魔法反射守護結界のネックレス×1
……
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
等など。
ちょっと途中で遠い目をしつつ、ブラックコーヒーを流し込んだ羅楠であった。
「全状態異常無効黒マスクは見た目がいいな。厨二っぽくて」
所謂不織布マスクではなく、鼻から下、首までをぴったりと覆う伸縮性のあるやつだった。
「ウィルスも除去してくれるのか。この世界、風邪とか肺炎で終わりそうだしなぁ」
ぽちぽちと取得したアクセサリを付けていく。
幸い、顔と頭部につけるもの以外は露出はしないのでつけ放題だった。
「翼はやめておこう……うん」
一度外に出た翼を装備したが、全長5メートル級のでかくて重たそうでやたらキラキラしているものがでた。
よく見てみると天司は各精霊王以下、魔族は中級悪魔以下を使役できる召喚媒体にもなっており、物騒なことこの上なかった。
「おちつけ。俺は普通のぶたいはいゆう……へいみんへいみん……」
頭を抱えながら羅楠はブツブツとそう繰り返した。
◆◇◆◇◆
「スキルは……と」
スキルの方は思った通りだった。
生活魔法は無意識に使っていたが、水を薬缶に貯めたり火種を付けたり、各器具に魔力補充もできれば、体を綺麗にもできた。
錬金術はポーションを作ったり製薬も出来るようだ。
ただ知識はないのでどうしようかと悩んでいれば、ラーニングというスキルがそれを補ってくれるようだ。
「ラーニングは……記憶再現と一緒に取得することによって今まで体験したり食べたり読んだり見たりしたことを再現して、スキルとして取得する事が出来るのか。……つまり……」
と、羅楠は以前演じた【暗殺者は有給を楽しみたい】という小説が原作の舞台の暗殺者・エルモ・メッサーを思い出した。
すると……。
【暗殺術LV:1を取得しました】
ぴょん、という音と共に新しいスキル取得のメッセージが。
「ほほう?」
にやり、と羅楠は口角を上げ、今日の夜は長そうだ……、と確信した。
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