第6話◆2.5次元俳優、色々ゲットする5
「ふわぁ!よくねたー!」
昨日は夜遅くまで今まで演じてきた役や食べたもの、体験した物を思い出してはスキルを取得しまくっていた。
中でも、料理バトルミュージカル【キッチンバトラー/G】という舞台で主人公G(ゴロー)のライバル役、H(英知)を演じた際に2週間みっちり通った料理教室を詳細に思い出した時に得た【料理スキルLV:10】は有難かった。
どうやら、演じただけではLV1~3、実際にそのものを体験し、どの程度長くやったかでLV5~10になるようだ。
なのでブラジリアン柔術を小さい頃より習っていた羅楠は、LV:10を超えて上限解放薬のおかげでLV:30になっていた。
「剣使うよりも徒手空拳の方が強そうだよなぁ」
まぁ、いるだろう盗賊や魔物相手にステゴロは愚策かもしれない、とは思っている。
ああいうのはなるべく遠間で仕留められれば最高なのだ。
「銃があればなぁ。【スパイブラザーズ】でやったスナイパー役があったんだけどなぁ。でも投げナイフをログインボーナスで貰えたのは僥倖だったな」
どうやら飛び道具は投擲扱いになるらしく、上限解放薬で15にはなったものの、武器自体がないという結果で諦め掛けていた。
しかし、深夜12時を過ぎただろうころに、ぴょん!音かしてメールを開いたらログインボーナスが支給されたとの事。
いそいそと確認してみれば⋯⋯。
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【初回30日間ログインボーナス:一日目】ゲット!
投擲用小型ナイフ(ATK+999)/999本×10
※ステータス画面の装備欄にセットすればいつでも使えます
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なんともタイムリーなログインボーナスであった。
「ナイフ投げるの勿体ないからスリングでも自作するかな。あれなら小さい頃ボーイスカウトの課外授業の一環で作ったことはあるし」
他にも火起こしとかカレー作りとかしたなぁ、と思い出した。
「まずはご飯を食べてから、この森を散策してマップで確認した街にいくかな」
羅楠は早速土鍋を出して米を炊き、塩結びを作ると、根菜の味噌汁と共に腹に収めた。
「基本の食料しかないからどこかで仕入れたいな」
ちなみに、ジャガイモ人参玉ねぎの3種は何にでも変化がつけられるのでイー●イと呼ばれているらしい。
それらが各10個にキャベツ3玉、白菜半分、ネギ三本、大根2本、グリーンレタス2玉が基本の野菜セットとなっていた。
他のセットになっているのもそうだ。
調味料は砂糖、塩、胡椒が1kg×2袋、酢、醤油、味噌、マヨネーズ、ケチャップが1kg×2本、中華味の素、コンソメが500g瓶が1本となっていた。
体を洗うのはよくある旅行用アメニティ(ボディソープ、リンスインシャンプー、薬用洗顔剤、化粧水、乳液のセット)が3日分と洗体洗髪500ml各1本、洗顔ハンドソープが200ml各1本、薬用ハンドクリーム70g1本となっていた。
それらを何回かタップして各種類ごとにある程度ストックをつくった。
そして、3WAYバッグにハンドタオル2枚、フェイスタオル2枚、ハンドクリーム1本を入れ、A6ノート、付箋、万年筆を昨日得た裁縫スキルで小袋を作り、そこにまとめて入れた。
そしてキャンプ用品のおかげで快適空間と化したテントをそのままひっくるめてイベントリに収納。
パンやおにぎり等、数食分のストック作ったのでまずは森を散策することにした。
「キャンプセットにハンモックあったのは嬉しかったな」
そこに布団タイプの寝袋を置いてゆったりと揺られながら寝れば、目覚めがスッキリしていた。
鑑定してみれば、このハンモックと寝袋の効果で、睡眠の質があがり、疲れが消えたようだった。
3WAYバッグをリュックタイプにし、腰に小剣、肩に弓を担ぎマップを見ながら森に入る準備をした。
「早々、忘れないうちに……『収納!』」
と、目の前に生えている【宝石花】を見ている範囲イベントリに収納した。
「なんかポーション作れるようだしな。いつかはやってみたいし。って、あれ?」
【宝石花】を収納した後でも草原はキラキラしていたので鑑定してみれば、【宝石草】という葉が残っていた。
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宝石草【ビジューグラース】
大変貴重な草。宝石花を摘んだ後稀に生えてくる。
高級ポーションの材料。
魔装布の染料。
魔符を作る際のインクの材料。
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「おおお????」
という結果がでたので、これも見える範囲収納する。
魔装布や魔符は字面から何となくではあるが、こういうものだろうな、というのが解るので、持っていく事する。
「んじゃ森へレッツゴー!イエーイ!」
2.5次元俳優、星屋羅楠は異世界を楽しむことにしたのだった。
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