第1話 日常


「り…あ、理愛起きろ。遅刻するぞ。」


「あと、5分~」


「遅れていいなら、いいぞ」


「おきる~」う~んまだ眠い、スマホはと、えっ、もうこんな時間!?めざましは!!


急いで階段を降りると、お兄ちゃんがもう、玄関から出ようとしている。


「ご飯は用意しておいといたから。母さんは夜勤明けだから起こすなよ。」


「分かった。」




「はぁはぁ、間に合ったーー」


「席つけー」




_お昼休み_


「理愛~あんた、遅刻しそうになって!」


「ほっぺつねらないでー」


「また、夜遅くまで、ゲームしてたんでしょ。」


「ちがうもん、ゲームじゃなくて、配信みてただけだもん」


「おな~じでしょう!!」  「あうあう¥zjd」 


 つねりながら、ふった。




「あやあや、もうリーダのHPは0っす、はなしたほうがいいっす」 


「あ、 ごめん」 ドサッ


うう~ほっぺが重症だ。綾も、もう少し手加減してくれてもいいじゃないかな。



「いや~死んでなくてよかったっす」そう言って、ほっぺつんつんすんのやめい!痛いわ!


「いや何、無関係装ってるのあんたも遅刻ぎりぎりじゃない」


ジト目。


「な~に言ってるんすか遅刻しなきゃセーフっすよ」 


「確かに相馬はなんだかんだ言って遅刻したことないわね」


「そっすね」



あっちで、話している2人は私の幼馴染で、三村綾と市毛相馬。綾は私達3人の中でオカンの役割をしていている。


性格も頭もよく、顔をもいい、学校では、優等生だ。もう一度言おう学校では。


じゃあ、学校以外ではなんだと思う?。実はチャンネル数30万人越えのゲーム配信者だ。驚きだろう。ああ見えて、私たちを越える雑食系ゲーマーなんだぜ。まぁ、学校では隠しているんだけど。


相馬は遅刻常習犯の私と違い、ぎりぎり遅刻しない常習犯だ。よく美人の綾といることで、男子にやっかまれているけど、生きている。なんだかんだ言って、精神が図太いやつだ。あと、よくパーティを組むことが多い。



「あ、そうっす」今気づいたんだばかりの顔で私たちに


「『Fortuna Online <フォルトゥーナ オンライン>』2人はやるんっすか?」


「私はやるわよ。もともと、β(ベータ)テスターだったし配信はできないけど息抜きで、理愛はあら、」


驚いた顔で見られた。


「理愛はなんで、そんな変な顔でいるのよ」 



「あ~、あれっす。2年くらい前に固定パーティ組むほど、ハマってたゲームがあったんっすけど、受験勉強で俺らそのゲームやめたんっす。そのゲームの製作会社がそこなんで。」


「ハマってたんだったら、もう一回ればいいじゃない」


「 ……ない」


「えっなんて」


「もう、そのゲームがないのーーー!! うえーん。・゜・(ノД`)・゜・。」 


   


「それ、リーダの地雷っす。あんまり調べてないから分からないっすけど、なぜか受験後には、サービス終了してたんっすね」 


「ぐすぐす」



「はぁー、めんどくさいのふんだわ。てか相馬、リーダ、リーダって呼び方気をつけなさいよね」


「無理っすね。こっちの方が言いなれた感じがあるんで、」


「それを直しなさいって、まぁいいわ。で結局、理愛は『Fortuna Online <フォルトゥーナ オンライン>』やるの?」



「やる… お兄ちゃんがβテスターだったから、1つ譲って貰う」


「あ~、βテスターは自分の含めて最高3つまで貰えるんっすよね、いいっすよね~」


「全然、良くないわよ。個数要請するから、あまらしたら請求くるし、個人の販売もだめだから身内用よ」


「バレなきゃ、よくないっすか」


「ばれるのよ。事前に個人番号入れるから複数で使用もできないし、それにメモリーに一つ一つに既製番号入れているから渡したものがログインされてるか調査される。そして、渡した相手も分かるから、相手が30日後までにゲーム時間1時間はログインしているかチェックされるばれるの。だから、信用できる相手に渡さなきゃいけないの。おわかり」


「え、めんどくさ」「めんどうっす」


「そうね。相馬はどうなの、やるの?」


「う~ん、抽選券外したんで無理っすね」


「あら、じゃあ、あまらしてるからあげるわよ」


「まじっすか!? うっしゃー!」


「え~、あまらしたらダメじゃなかったの?」


「もともと、あなた達にあげるつもりだったし、もしあまったら親にやらせればいいのよ」


「あ~、綾の親、綾に甘々だもんね。」


だって綾の親、綾が配信やるって言った時も協力的だったし、仕事が休みの日とか動画の編集手伝ってるからね~。そのおかげで綾の親もゲームを嗜むようになったとか。


「じゃあ、私達3人は『Fortuna Online <フォルトゥーナ オンライン>』やるっていう事でいいのよね」


「いいよー」 「いいっすよ」


「じゃあ、後でフレンド登録しましょう」



「あー明日が待ち遠しいっす」


「ねー。」


「明日の土曜日からにしても、学生などの世代帯を狙うなら夏休みに発売したほうがいいと思わない?」


「えー。確かに夏休み前だからそう思うけど早くできるのに越したことはないかな」



___




それから残りの授業を受けてから家に帰った。それからリビングのソファーでごろごろしていたら、お兄ちゃんが帰ってきて何か段ボールの箱を手に持っていた。



「お兄ちゃんそれ何~?」


「『Fortuna Online <フォルトゥーナ オンライン>』のソフトだ。ちょうど玄関前で宅配が来ていたから俺が受け取った」


「!?」


すぐに起き上がりお兄ちゃん方へ、走り出した。


そして、段ボールの箱をつかもうとしたら、段ボールの箱をお兄ちゃんがひょいっと、私の身長が届かない位置へ持って行った。



~。

届かない。飛び跳ねても届かないよ。


「お兄ちゃんどういうつもり。目の前に餌をぶらさげて取らせないなんて。鬼畜ー!」


「理愛。これがほしければ一つ約束するんだな」


「何を?」


「俺も鬼じゃない。俺だって遅くまでゲームをすることはする。だから、遅くまでゲームをしたからって学校に遅刻しないこと。ゲームしたいからってずる休みをしないこと。いいか。分かったな」


「一つじゃなくて二つじゃん。」


「そんな変わらないだろう」


「分かったよ。努力する」


「り~あ~い~。お前が学校に遅刻したら俺までゲーム取り上げられるんだぞ」


「分った、分ったからその圧やめて。」



「はぁ。しょうがないな」


そう言うとお兄ちゃんが段ボールの箱をの手の届く範囲に下げた。


しゅっ。私はすぐにそれを奪って自分の部屋に直行する。


「あ、理愛待て!」


後ろでお兄ちゃんが何か言っているけど無視だ。待てと言って待つのは犬くらいだもん。





すぐに自分の部屋で段ボールを開封する。すると、そこからパッケージに収まったソフトが出てきた。これをヘットギアに挿入すれば明日から『Fortuna Online <フォルトゥーナ オンライン>』ができるんだよね。



「あ~。明日が待ち遠しい」






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