Fortuna Online <フォルトゥーナ オンライン>
ネロ偽者
プロローグ
薄暗い森の中の茂みから市街地に向かって見る双眼鏡があった。
「N86の方角200メトール先ぐらい、ビル下に敵,2人確認。」
「Arisaあてられる?」
「無理デース、斜線がきられていてさすがにあてられませんネー」
まぁ、ここまで勝ち残った相手なんだから、そう簡単じゃないよね。
「リーダ~どうするんです~? チーム数的に残りのチームあれで最後っすよね。」
「シロガネ、あまり気をぬくな、こっちはさっきの戦いで1人おちているんだ。」
そうなんだよね。
このバトルロイヤル最大6人までチームメンバーを入れられるんだけど私たちのチームは5人なので、1人減るだけで圧倒的な不利になるのに前の戦闘であほガレスがガトリングで撃ち合っている時に楽しそうな笑い声あげてたら、銃弾の中からスナイパーライフルと思わしき弾で撃たれて死んでたんだよね。
うわー死んだガレスが、「すまんすまん」って笑ってそう。
「いや~あんな、あほな死にかたするわけないっすよ。」 「そうですネー」
ガレス哀れなり。
「おまえら、いい加減集中しろ。全く、はぁーー」
本当だよ。
「ニアお前もだからな」
「え、声に出てた?」
「「「出てた」っす」ヨー」
「ちなみにすっけど、あほガレスのも、聞こえてたっす」
「 … よし、作戦を伝えるぞー。」
「あ、なかったことにしたっす、 まぁいいすけど」
なんか聞こえるけど、 無視、無視。
「いつも通りにガレスとダンテが正面から撃ちあって、シロガネと私でカバーしてArisaのレミトンM700で確実に 仕留めていきたいけど、ガレスのガトリングがないと正面からの撃ち合いはきびしいから、ダンテはここから右手に見える 黒い車が手前にある建物から敵に銃を撃って圧をくわえて、私とシロガネが反対から接近してなかに入って,仕留める。Arisaは敵が建物の上からダンテを狙った時と撃ち漏らししたら、しとめてね。よし、作戦開始。」
______________________________________________
「「「「「カンパーイ」」」」」
「ごくごく、ぷっふぁーーー!勝った後の一杯うめー」
「てっおーーーい、ガレスは途中に油断して死んでったろう」
「へいへいww ニア、俺らの勝利にに野暮なこったはなしだぜ。それに俺 あの後、中継で会話が漏れてて知っるんだぜ、寄ってたかって俺をあほ、あほって言いやがたこと」
「だってね、ガトリング同士の撃ち合いで、俺に勝てると思うなー!!とか言っといて、死んだんだよ。あほと言わずに何と言うんだい」
「そっすね」「ネー」
できるだけ、優し声と優し目で見てやる。
「だぁーー、そんな気色悪い目で見んな!」
ドンと、テーブルに飲み物置いてつっぷしてしまった。
気色悪いとは、失礼な。
「ニア、あまりガレスをからかうな、うっとうしさがいつにもましてうっとうしくなる」
「ダンテ~」
「くっつくな」
「だって、だってな、ふつうに考えてガトリング同士の真向勝負を横からちょっかいかけるか、俺は 俺はかけない絶対にな!」
「あれ、もうよっぱらたんすか!?」
あーじきになってるな、それもしょうがないか。
なぜなら、私たちのパーティーはこの大会で解散する。それぞれ、現実世界で何かしら事情があり、ゲームにログインできなくなったからだ。私だったらあと、半年先に高校受験が控えている。シロガネもそんな感じだろう。これから受験勉強で夏休みは勉強づけになるし、この時期までゲームが許されてる方が異常だろう。
Arisaの現実世界での事情はわからないが、アバターは金髪のサングラスのグラマーだ。シロガネは名前の通り銀髪にバンダナを付けた盗賊風の容姿になっている。ダンテは、黒髪の眼鏡で「こいつ、できる」を体現した姿でガレスは、赤髪の筋骨隆々の長身のアバターだ。ダンテとガレスは職場の同期らしく、一緒に海外赴任ふにんに行くことになったらしい。
まぁーなんだかんだいっていいコンビだもんね。
その後なんだかんだ遅い時間まで、みんなでおしゃべりして、解散することになった。
「じゃ、解散ということで、」
「おい、ガレス起きろ。明日は会社だろ。ログアウトしてから寝ろ。」
「わーったよ。」 「ねむいのネー」
それぞれログアウトしたのを見てから、私は酒場を後にした。
次にログインするのはだいぶ先のことなので、ネオンのビルが印象的な街並みを見て周り、初めて見たときは、その派手さに違和感をおぼえたけど、この独特な雰囲気が感じられるのも今日までなので楽しむ。
昔あったバブルと最新技術をテーマにした建築などなど、Arisaが言ってたな。そんなこと思いつつ、目的の場所にたどり着いた。
そこは、ビルとビルの間の路地裏にある隠れた名店。この北極店は昼間は喫茶店になっていて、夜は、銃のメンテナンスや銃の売り買えになっている。
店のドアに掛けられているOpen/CloseにはCloseと書かれていた。ドアにノックを3回しする。
「好きな料理は?」
「この店の《北極店の》アップルパイ」
「入れ、」ー
「やぁーリオンさっきぶり試合前ぶり」
リオンは赤い目が特徴的な青年で、この店のオーナー兼、NPCだ。NPCといっても、このゲームでは自由に会話できるし、食べたり、寝たり、普通に日常的生活を送っている。のため、常々おもっていることがある。この北極店、定員はリオンしか見たことがない。まさか、リオンぼっ・・
ギロッと
「おい、今失礼なこと考えなかったか。」
むっ、やばい。どうして私の周りはこう、鋭いんだろう。
「ぜんぜん、これっぽちも考えてません。」
じー。
目をそらすと認めたようで怒られそうなので澄んだ目で見つめ返す。
「まぁ、いいか。それより何しに来たんだ、さっきあんなに銃弾や銃のメンテナンスしてやっただろう」
よし。うやむやになった。
「いや~、北極店のアップルパイが食べたくなってね。」
「それは、合言葉だろう。それに店の看板見なかったのか、店じまいだ。」
「そこを何とか、」
すっ_____
ー意地が悪いニアは何かを取り出し、リオンに渡したー
「しょうがねーな、」と言って店の奥の厨房に入っていた。
リオン、私が言うのもあれだけど、金に目がないよね。
でも、こう見えてもけっこういいやつなんだよね。
だってね私は、このゲームが始めてのオンラインゲームのVRMMOだったから、PKされて泣いていたんだよ。怖さと悔しさで、そんな私に声かけてくれて、しかも飯を作っておごってくれた。まぁ、今考えたら、店前で泣いていたからかもしれないけど、そのおかげで今までやってこれた。
「おい、アップルパイできたぞ」 「わーい!」
もぐもぐ、うん。出来立てだから熱々だね。この場合、ホットアップルパイになるのかな。
「ほら、サービスだ」
そう言って、氷で冷やしたアップルティーを提供された。
「ありがとう。アップルパイにアップルティーっていうのもあうね」
「ふぅ~食べた。食べた。」
「ホントにな。あの後お代わりを言われると思わなかったぞ」
じゃーと流しで皿を洗いながらため息をついている姿を見ながらそろそろ頃合いかと思い、
「リオン」
「なんだ」
「しばらくこの店には来ない」
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