一位のあの人は…… 1

やっと泣き止んだ俺であったが、美子とは離れて歩いていた

「ちょっとそんな離れなくても!もう耳は

触らないからぁ」

「嘘だ!また触りまくる気だろ!」

「ごめんってば!」


俺は人間が信用出来なくなってしまった。

あのインタビュアーと美子のせいだ。どうしてくれる


「もう困ったなぁ……ん?」

「美子?」


ぴたっと美子は足を止めた。どうやら何かを発見した様だ。またスライムでも見つけたのだろうか


と、思いきや急に走り出した。忙しい奴


「こんにちは!こんにちは!新人プレイヤーさんかな!私美子って言うんだ!」

「な、なんだお前ぇえ…?!」


どうやら、他のプレイヤーを見つけたらしい。その話しかけたプレイヤーは腰に片手剣が収められていて、胸にはメダルの様な……

メダル?


あ!


俺はすぐさま、美子の元に駆け寄った


「す、すいません!!コイツ礼儀を知らない者でして!」

「何だ、仲間がいたのか。モンスターかと思ったぜ」

頭をがっしりと掴み、強引に頭を下げる。

こうまでするには理由があったのだ

「ねぇ……どうしたの?そんな慌てて」

美子が俺にこっそりと聞いた

「あの人はな……ランキング一位の人なんだよ」

「えぇ?!」

すると、美子はまた一位のお方の手を掴み

「一位ですか!すごい!マジすごいです!」

「わあぁああ……揺さぶるなぁあああ」

ぶんぶん上下に振った。すぐさま俺は頭をグーで殴って止めた

「ま、まあ元気なのはいい。雑魚プレイヤーが何をしようと気にしないわ」


【俺の怒りメーターが一つ溜まった】

いや、抑えろ。俺たちがかなうはず無いんだ

ここは抑えろ


「ところでここを見回りさせていた俺の龍が

何者かに傷つけられたらしいが、何か知らないか?」

「さ、さあ……」

なんてこった、あのドラゴンはこのお方の手下だったらしい。どうりで強い筈だ

「報告によれば耳が生えた奴にやられたらしいが……待て!お前生やしてるじゃないか!

耳!!」

一位のお方はすっと剣を構える

「ち、違いますよ!きっと他の巫山戯て耳を付けてる奴ですって!俺たちみたいな雑魚プレイヤーが傷をつけられるわけ無いじゃ無いですか!」

「それもそうか」

構えた剣をまた鞘に収めた

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