第46話 グレイと魔王の戦い(くちげんか)

グレイと魔王のお陰で、俺の手と戦いによる疲労は回復したけど

今の状況は美少女2人に抱きつかれている。

魔王は美少女であるが、グレイも今までいわなかったが美少女と

言えるぐらいに十分かわいいぞ。


「おい、2人も抱きつくのはやめてくれ」

「いいじゃありませんか、魔王に勝ったのですし。

といいますが、負けた魔王が抱き着く事はおかしいのです」

「わたしはヒロシが元気になったのがうれしくて抱きついてるの!」

「その原因を作ったのはあなたではないですか」

「だから、その責任を取って治療してあげたじゃない」

「治療の8割9割はグレイがしたのです。最後にちょこっと仕上げをしたぐらいで

偉そうな事を言えないのです」

「魔王だから偉いの!グレイちゃんなんて、ヒロシの従者じゃない」

「わたしは博司様がこの世界に来てからずっと一緒にいるのです。

ぽっとでの女魔王ごときには負けませんよ!」

「なにをー!」


魔王とグレイが口喧嘩をするが、魔王はスキルの関係かもれないが

グレイも気持ちを告白されたとはいえ、皆の前でこんな事をすると思わなかった。


「2人とも喧嘩はやめるんだ」

「わ、わかったわよ……」


魔王は俺のスキルで素直になるが、グレイは


「本来ならばわたしが最初に抱きつく所を、この露出狂女魔王が先に抱きついたのが許せないのです」


とまだ文句を言っている。

そして、その文句にまた魔王が反応する。


「これは女魔王の正装なの!だから仕方なく来てるのであって、わたしだって

こんなの着たくないんだからね!」

「それが正装なんてやはり魔族はおかしいのです。単なる変態なのです」

「なにをー!黙れ絶壁ロリ!」

「そちらこそ無駄にでかいだけの露出変態魔王じゃないですが!」

「絶壁よりは大きい方が男は喜ぶの!」

「わたしはまだ14歳で発展途上なのです!これからまだまだ大きくなるのです!」

「14歳でこれだと、将来はあまり期待できないと思うけど」


魔王が嘲笑する。


「ぐぬぬ、魔力切れでなければこんな露出変態魔王ぶっ飛ばすのです」

「その反応は自分でも成長しないってわかってるのですね」

「成長後でも胸だけで成長するのは実際にありますので、まだまだわかりません!」

「それじゃ。将来楽しみね。でも、その時はヒロシはいないんでしょ」

「た、確かにそうですね……」


魔王の言葉にグレイは急に元気をなくすが、魔王に勝ったと言う事は

俺たちは1か月以内に元の世界に帰らなければならない。


「でも、グレイは最年少で魔法学院を主席した超天才なのです。

変身魔法ぐらい、2,3日もあれば覚えるのです。

魔法で成長したわたしの姿で博司様を誘惑すればいいだけです」

「成長しても、貧相な身体には変わりないと思うよ」

「わたし程になればどんなすがたにでも……」


グレイは途中まで言いかけると、突然倒れたが魔力切れと言ってたな。


「だ、大丈夫か!?」


俺が声をかけるとグレイからは「くー」と寝息を立てていた。


「どうやら、魔力切れで眠ったようですわ」


イゾルダさんはそう言ってグレイをおぶさるけど、イゾルダさんは果歩も支えている。


「イゾルダさん、大丈夫ですか?」

「こう見えても、意外と力はありますので。

魔法使いだからって、力がない訳ではございませんわ」

「な、ならいいけど」

「博司様も魔法でくっつけたとはいえ、無理はしないでくださいね」

「わ、わかりてますよ」

「そろそろ氷を消しますので、魔王様もこちらへ来てください」


イゾルダさんは魔王に敬意を表すため、深々と頭を下げると魔王も一緒について来た。


「あ、その前に聖剣を回収しないといけなかった」

「それでは博司様は聖剣を取って来てください、わたくしたちはお先に行きます」


イゾルダさんと魔王は先に皆の元へ戻った。

俺は慌てて聖剣を取りに行き、ちゃんと聖剣を回収して皆の元へと戻った。


皆の元に戻ると、マチルダさんが俺に抱きついて来た。


「博司大丈夫?」

「だ、大丈夫だよ。グレイと魔王がちゃんとくっつけて元通りだよ」

「ならいいけど、博司に何かあったら、わたし……」


マチルダさんが泣きそうになってるが、なんだかんだ言っても仲間だから

ちゃんと心配してくれている。

マチルダさんは厳しい所があったけど、俺を心配しての事だったかな。


 そして、マチルダさんが魔王を見ると、今度は魔王に抱きついた。


「な、なにするの!?」


突然マチルダさんが抱きついて来たので、魔王も驚く。


「うーん、魔王って言うからごっつい女って思ってから、こんなに可愛い子だったなんて」

「だ、だからって抱きつく意味がわからないよー」

「可愛いからに決まってるじゃない」


マチルダさんはそう言って、魔王をぎゅっと抱きしめるけど魔王が

「痛い!痛い!」と言ってるけど……これじゃ、まるで鯖折りかな……。


「マチルダさん、魔王が痛がってますよ……」

「あ、ご、ごめんつい力が履いちゃったけど、大丈夫?」

「まさか、戦いが終わった後に一番ダメージを受けると思わなかった……」


そう言って、魔王は顔を青ざめて「きゅー」と言って倒れたのであった。


「ご、ごめん、大丈夫?」


マチルダさんは魔王を見て慌てるのであった。

結局、最後に魔王にとどめを刺したのは聖剣でなくマチルダさんでだった。

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