第45話 そして決着

氷に閉じ込めれた魔王と対峙するが、これを対峙と言っていいかわらかないが

とにかく、魔王の前にきて跪く。


「さっきは失敗しましたが、今度は失敗しません」


俺がそう言うが、スキルと聖剣、どちらを使うか悩むが……実は聖剣は

さっき転んだ時に手を放して、氷の上を滑って行ってしまった。

取りに行っても良いが、そうすると魔王の元へ行くのが大変になり

氷の上なので上手に移動できるかもわからない。

なので、ここはスキルと使うしかないのであった。


「な、なにをするの!?」


魔王が普通の女の子みたく言うけど、やはりこれが素のようだ。

どうやら、魔王らしく威厳があるように演じてたらしい。


「聖剣はないので、スキルで従属してもらいます」

「痛くしないならいいか……」


この状況になったら、流石の魔王も観念したらしく抵抗をしない。


「身体に触れないといけないので、失礼します」

「うん……」


小さく魔王が頷くと、俺はスキルを発動する。

右手に紋章が現れると、そのまま魔王の頭に触れるが。

一瞬の沈黙が流れるが……紋章の色は赤、つまり失敗したのであった。


「……」

「どうしたの?」


俺が黙るので魔王が聞いてくるが俺は素直に


「失敗です……」


と答えると魔王は


「失敗なんだ……でも良かった!」


といって、氷の中から腕を出したのであった。


「なっ!」


俺は荒れてるが、魔王は氷の中から出ようとして氷がギシギシ言ってる。

氷が厚いので簡単に出れないが、それでも徐々に身体を氷の中から

出ようとするが……途中で大きな胸が引っ掛かったのであった。


「む、胸がつかえて出れない……」


魔王も驚くが、俺は再びスキルを発動して魔王に触れようとすうと

魔王が腕を振って俺の右手に触れた思ったら……一瞬何が起こった判らなたが

俺の掌が見なくなている事に気づいたのだった。


「あ、あれ……」


俺は思わず固まってしまって、再び確かめるとそこにはやはり掌がなく

あるのは血で赤く締まった袖と切断面であった。

そう、魔王は手刀で俺の手を斬りと落したのであった。


「これでスキルは使えないよね。聖剣も近くん無いようだし終わりだよ」


魔王はこう言うが、気づいたら引っ掛かっていた胸が氷から出ていた。

ただ、俺の状態を見て隙が出来たようである。

右手を切り落とされても、まだ左手もあるし切り落とされた右手も痛みを感じてない。

どうやら興奮状態にある様で痛みを感じてないらしい。

俺は氷の上にある切りとおされた掌を拾い、脇に挟むと今度は左手でスキルを発動させる。

魔王は気を抜いているので、今度は黙って魔王に触れるのであった。


 左手に紋章があられてたが、左右どちらでも構わないようだ。

ただ、発動時に紋章から光が発するので、魔王もそれに気づくが。

気づいた時に俺の掌は既に胸元にあったが、この際胸だろうと魔王に触れられれば良い。

俺は臆せず魔王の胸に触れると、急に胸に触れると一瞬固まってから


「きゃああああ!」


と女の子らしい悲鳴を上げるが、それが隙になりった事が良かった。

魔王の胸に触れた日抱いては、今度は紋章が緑に変わったのであった。

……そう、スキルが成功したのであった。


「頼む、落ち着てくれ」


俺がそう言うと魔王は素直に


「うん……」


と言ってたが、どうやら本当に成功したらしい。


「それじゃ……負けも認めれくれないから」


俺がこう言うと


「わかった、負けを認める」


と言ったが、俺だけじゃなく皆に聞こえるようにもっと大声で言うように言う。


「わかった!!負けを認める!!」


闘技場に魔王の負けを認める声が響いたのだったが、それを聞くと出血のせいか

そのまま気を失ったのであった。


**********


魔王の負ける声が聞こたけど、どうやら博司様が勝ったようです。

ただ、その声が聞こえた後、博司様はそのまま氷の上に倒れました。


「た、大変です!」


わたしは思わず、氷の上を転びながら博司様の元へ行きました。


「ひ、博司様大丈夫ですか!?」


慌てて博司様を見ると、博司様の右の掌がない事に気づきました。

そして、そこからの出血で氷の上が赤く染まっていました。


「わ、わたしがやったのごめんなさい!」


魔王が女の子みたく謝りますが、今は治療が先決です。


「謝罪は後でいいのです!切断した部分はどこです!」

「み、右の腋に挟むのを見たから、多分そこに」

「わかりました!」


魔王に言われて博司様の右の腋を見ると、切断された掌がありました。

わたしはそれを取ると、切断面と傷口を氷の魔法で冷やし出血を止めて

水の魔法によって傷口を洗浄しました。


次は切断された手をくっつけるのですが、戦いで魔力を消費してるので

わたしだけで無理なので、回復魔法を使える果歩様に頼みます。


「果歩様ーこちらに来てください―!」


わたしが果歩様を呼ぶと変態女……いえ、イゾルダさんに付き添われてこちらに来ます。


「果歩さま、くっつけるので一緒に回復魔法をお願いします」


わたしが切断された部分を見せますと、果歩様は気を失いそうになりますが

果歩様には刺激が強すぎた様ですが


「博司様を助けるためですので、お願いします!」


というと、果歩様は顔を青くしてそのまま座り込んでしまいました。


「果歩様、大丈夫ですか?」


イゾルダさんが果歩様に声を掛けますが、「大丈夫」と答えましたが

大丈夫ではないみたいです。

ただ、果歩様も気丈に振舞て


「わ、わたしも……回復魔法をかけますので……」


と倒れた博司様に回復魔法をかけてくれました。


「今からわたしが斬り落とされた部分をくっつけます」


わたしがそいうと、切断面を合わせて回復魔法を発動します。

以前、博司様に約束した通り切り落とされた部分をくっつけます。

ただ、切断された部位をくっつけるのはかなりの魔力が必要で

他の魔法使いよりは魔力が多いと言っても、それなりに消費します。

魔王との戦いで魔力を消費してますが、それでもまだ半分以上は残っています。

さらに果歩様が回復魔法をかけてくれたため、傷口の状態も最初よりも良くなてっています。


「ロリ……じゃなくて、グレイ、大丈夫ですか?」


ここに来て、イゾルダさんはわたいしの名前を呼びますので


「最年少主席の力を見せてあげますよ、イゾルダさん」


と言ってあげましたら、とれも嬉しそうに笑いました。


「では、その力をお見せくださいね」

「見ててくださいよ」


わたしは切断面を合わせて最上級の回復魔法を発動させます。

多少位置がずれたり、切断面が複雑でも魔法によってちゃんと元に戻ります。

流石に戦いの疲労もありますが、博司様を助けるためにがんばるのです。


 魔法を発動させると、肌の傷はなくなりましたがまだ骨などはくっついていません。

あと、感覚も戻っていないはずです。

ただくっつけるだけならば中級の回復魔法で良いですが、わたしは元に動かせるようにします。


「グレイ大丈夫ですが?」

「これぐらい平気なのです」


イゾルダさんが声を掛けますが、額からかなりの汗が出ていますが強がります。

あと、氷の上なので冷たさも感じますが、逆にこの冷たさが良いのか

果歩様も回復魔法をつかってるなのかわかりませんが思ったよりも回復が早いです。


「わ、わたしはもうダメです……」


果歩様はそう言って、座り込みますが水を一気に出しましたので仕方がないです。


「うう……俺は……」


意識を無くしてた博司様の意識が戻りました。


「手首から上を切り落とさのですよ」

「グレイか……」

「はいなのです。以前、約束しとおりにちゃんとくっつけているのです。

ただ、くっつけるだけではないのです、ちゃんと元どおりにしてるのです」

「そうだったな……」


博司様の前では何時もの口調で話しますが、博司様は笑っています。


「なんか、すごく温かいな、氷の上なのに……」

「それは魔法の効果がでてるからなのです」

「まだ氷を消してなかったのか……」

「氷を消したら、博司様が落ちてしまいますのです」

「そうか……魔王もそのままか」

「うん、まだ氷のなかだよ」


魔王が答えますが、今までの口調はかなり演じていたようで、わたしと一緒で

なんか急に親近感が湧いています。


「グレイちゃんだったけ?凄い汗だけど大丈夫?」

「だ、大丈夫なのです……」


わたしはそう答えるけど、正直、もうすぐ魔力切れになり意識を保つのが精一杯です。

でも、博司様のためにがんばるのです。


「グレイ、無理しなくてもいいって、少しぎこちないがほらちゃんと指も動くし

痛みもないし、感覚もちゃんとあるから大丈夫だから」

「そこまで来たら、あとすこしなのです……がんばるのです……」


私がそう言うと、魔力切れになってなってそのまま倒れたのありました。


「グレイ大丈夫か!?」

「グレイさん、これは魔力切れですね」


イゾルダさんがそういって、わたしに膝枕をします。


「念願の膝枕ができましたね。ダメですよ、無理をしては」


そういいながら、イゾルダさんは母親見たい顔をしてますが

こういう顔をも出来るのですね。


「あ、あと少しなのです……」


かなり指を動かせませたので、8か9割は回復してますがわたしは完全を目指します。


「グレイちゃん、後はわたしにまかせて。

ほとんど治ってるけど、仕上げはわたしがやっておくよ。だって、わたしのせいだし」


魔王がそう言いますと、身体をぐりぐり動かして氷の中からでます。

相変わらず変な恰好ですが、寒くないのですかね。


「ヒロシ、最後の仕上げだよ」


魔王がそう言うと、回復魔法と言っていいのかわかりませんが魔法をかけます。

博司様の右手はほぼ元通りになっていましたが、魔王によって最後の仕上げが

ほどこされましたが、右手の他に博司様の意識もはっきりして、すっかり元気に

なって起き上がりました。


「なんかすっごくすっきりするけど、右手も元通りになってるし疲れも吹き飛んだよ」

「ヒロシ、よかったー」


魔王が起き上がった博司様に抱きつきますが、無意識でありますが

大きな胸を押し当てていますが……なんでしょう、物凄く腹立ちます。

といいますか、一番最初に喜んで抱きつくのは従者のわたしなのに。

ただ、このまま指を咥えてみている訳には行きませんので、わたしも魔力切れでありますが

無理やり身体を起こして博司様に抱きつきました。

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